ネガティブな考えが頭の中で止まらない時は「思考停止法」を試してみよう。
「過去の失敗をいつまでも考えてしまう・・・」
「先のことを心配して不安になってしまう・・・」
「真相が分からないことについてあれこれ良くない妄想をしてしまう・・・」
そんな風に、ネガティブな思考に囚われて、頭の中がそのことでいっぱいになってしまうことはありませんか。
そんな時は、他のことにも手がつかなかったり、気持ちを切り替えて別のことをしようとしても、ついつい考えてしまったりして、どんよりとした気分になってしまいますよね。
今日は、そんな時におススメの「思考停止法」というものをご紹介します。
思考停止法をすべき時。
どんよりした気分というのは、どんよりした感情から生まれます。
どんよりした感情とは、どんよりした思考から生まれるのです。
なので、そのどんよりした思考を断ち切る必要があります。
過去に起こったことについて、「どうしてあんな失敗をしてしまったんだろう」と後悔を引きずってしまったり、
まだ起きていない未来のことについて、「うまくいくだろうか、大丈夫だろうか」と極端に不安になってしまったり、
真相を知るすべのないことについて「あの人はああ言ったけど、本当はああだったんじゃないだろうか」とあれこれ良くない妄想をしてしまったり。
こういった思考というのは、私たちの誰しもが陥りえる思考ですし、自己を反省したり、未来に起こりうるネガティブな危険性を予測したり、物事を多角的に想像するというのはとても大切なことです。
ただ、そういった考えが頭の中をぐるぐると回り続け、いつもそのことを考えてしまいストレスになってしまう状態というのは、健康的ではないし、建設的でもないですよね。
自分があるネガティブな考えにとりつかれてしまい、そのことを常に考えてしまっている、そう気づいた時には、この「思考停止法」を試してみるべき時です。
実は、自分でそんな風に「今、この負の考えにとりつかれているな」と気付けること自体も、とても素晴らしいことなんですよ!
気にしちゃダメだと思えば思うほど気になる。
「気にしちゃダメだ・・・」と思えば思うほど、その考えから抜け出せなくなる。
そのような経験はありませんか?
人間は、禁止されると、より意識して、逆にやりたくなってしまうものなのです。
これは、古今東西問わず、人間の心理現象として語られています。
絶対に食べてはいけないと言われた禁断の果実を食べてしまったイブ。
絶対に開けてはいけないと言われた玉手箱を開けてしまった浦島太郎。
絶対に見てはいけませんという意味深なウェブ広告を見てしまう私たち・・・。
心理学用語では、「心理的リアクタンス」と呼びます。Reactance:抵抗という意味です。
何かを制限されればされるほど、抵抗・反発したくなってしまうというものですね。
そうして得られる心理的効果を、カリギュラ効果とも呼び、現代でもマーケティングなどでよく使われています。
それほど、私たちの心理的現象というのは、昔から変わらないんですね。
なので、「そんなの気にしちゃダメだよ」と、言われれば言われるほど、
または、そう自分に言い聞かせようとすればするほど、
逆にもっと気になってしまうというのは、当然のことなんですね。
この「思考停止法」は、「気にしちゃダメだ」と無理やり思考を停止させようとするのではなく、きちんと手順がありますので、見てみてくださいね。
思考停止法を実際にやってみよう。具体的な方法とは?
ということで前置きが長くなってしまいましたが、早速やってみましょう。
思考停止法とは簡単に言うと、
①制限時間を決め、
②その時間内で思いっきり考え、
③時間になったら掛け声をかけてその思考をストップし、
④別のことに取り掛かる、という方法です。
①制限時間を決める:タイマーをセットする。
時間としては、1~2分から長くても5分くらいでしょう。
制限時間が来たのが分かるように、タイマーやアラームをセットしてください。
どうしても、もっとじっくり考えたいという気分の時は、10分くらいかけていただいても良いです。
②時間が来るまで、とことん悩む。
頭の中にぐるぐると渦巻いているネガティブな考えを、ひたすら考えてください。
目は閉じても閉じなくても良いですが、自分の考えに集中でしてください。
この時間内は、思う存分ネガティブなイメージを膨らませたり、悩んだり、感傷に浸っていただいて構いません。
時間を決めて考えるということなので、思いっきりそのことについて考えてください。
③掛け声をかける。
心の中で、「ストップ!」と掛け声をかけ、その思考を完全に停止させます。
掛け声は、自分がしっくりくるものを選んでいただいて構いません。
「よし!もう悩む時間はおしまい!」「終了!」「さぁ、うじうじタイムはここまで!」など、色々と試してみて、自分にとって効果を感じられるものを選んでください。
頬をペシペシと叩いたり、ゴムをはじいて痛みを感じたりすることも効果的とされています。
自分で自分の頬を叩いたりするのは、アニメなどでもよく見るシーンだと思いますが、実は理に叶っていたんですね。
この掛け声や身体的な刺激を合図に、頭の中のネガティブ思考をすべて真っ白にしてください。
テレビの電源をプツンと消したり、いっぱいに文字が書かれていたワードファイルの文章を、全選択して一気に全消去するようなイメージです。
④別のことに取り掛かる。
そうして自分に合図を出したら、すぐに別のことに取り掛かりましょう。
そのままぼーっとしていたら、すぐにまた考えてしまいますから、
合図がでたら何をするかは、あらかじめ決めておくと良いですね。
自分が興味があって没頭できることがベストですが、特に思いつかなければ、
「今やるべきこと」や、「将来の自分に役立ちそうなもの」をピックアップするといいでしょう。
勉強したり、本を読んだり、歌を歌ったり、運動したり、ご飯の準備をしたり、気の進まなかった資料作りに取り掛かったり。
そう、取り掛かるだけでいいんです。
とりあえず本を開いて1分だけ読もうとか、1単語だけ覚えようとか、動画を1つだけ見ようとか。
そうすると、気付いたら割と集中して時間が経っていることがあります。
まずは始めてみる。それだけでいいんです。
もし、いつのまにかまた同じことが頭に浮かんできているなと気付いたら、もう一度①からやり直してみてくださいね。
思考停止法とは。
この思考停止法は思考中断法やストップ法とも呼ばれ、1950年代頃から強迫観念や恐怖症の治療のために活用されてきた心理療法です。
細かい方法としては色々なやり方があるようですが、ここでは私にとって一番合っていると感じているものをご紹介しました。
「思考停止」というと、あまり前向きな印象を持たれないかもしれませんが、考えてもどうにもならないネガティブ思考にとらわれてどうしようもない時には、その思考を停止させるのが1番です。
ネガティブなことを延々と考え続けていた時間を、自分にとって有意義な活動に少しでも変えられることは、とても気分が良く、自己肯定感の向上にもつながります。
慣れてくるまでは、なかなか気持ちが切り替わらないかもしれませんが、ネガティブな思考に囚われやすい人は、自分で気づいた時にいつでも、何度も、チャレンジしてみてくださいね。
最初にもお伝えしましたが、「自分がネガティブな思考にとらわれている」と気付くことが、まずは大事な第一歩ですからね。
そこに気付けたあなたは、きっと大丈夫。
今のモヤモヤした気持ちから、きっとすぐに抜け出せますよ!
私の活用方法。
私も最近、真相を知りようもない不可解な出来事に遭遇し、うじうじといつまでも心配し、不安になり、あーだこーだと憶測してしまう自分がいました。
私は、考えても答えの出ないネガティブな思考にとらわれている時間というのが、すごく嫌なんですね。
でも、そんな風にモヤモヤしてしまうのも人間です。
私は、自分がまだまだ未熟で、弱い部分もたくさんある人間だと理解し、受け入れています。
無理に別のことを考えようと、テキストを開いたり勉強用の動画を見ようとしても、気になってしまう時には、気になってしまうものなのです。
好きな音楽を聴いても気が紛れないこともありますし、聴きたくもない時もあります。
そういう時には、音楽を消して、本もスマホも脇に置いて、いさぎよく自分のネガティブな考えや気持ちに集中することで
逆に頭のリセットになるんですね。
ちなみに私にとっては、「よし!」と掛け声をかけて、上に背伸びをしてその腕をガッツポーズのように振り下ろす、というような動作を合図にするのがしっくり来ています。
背中のストレッチにもなって気持ちが良いですし、目線も自然と前を向くので、なんだか前向きな気分になりますよ。
良かったら是非、試してみてくださいね。
最後に。
私たちが過ごす時間で、無駄な時間というのはありません。
あなたが何度も何度も、悩んで傷ついて不安になったからこそ、今日、この記事にたどり着いたのかもしれません。
遠回りをして気付くということは、人生においてたくさんあるんです。
その遠回りは無駄だったように思えることもあるかもしれませんが、だからこそ出会えるものがあり、気付けることがあり、学べることがあったりします。
すべて、あなたにとって必要な、大切な時間だったということを、信じてあげてくださいね。
今日この記事を読んだことをきっかけに、どうにもならないネガティブな思考を、どうリセットし、コントロールするかということを、意識してみませんか。
その方法の1つが、思考停止法です。
きっと、あなたのこれからの人生にも、役に立つと思いますよ。
是非、試してみてくださいね。
神田華子でした。