うつ病は甘え?うつ病に対する誤解・偏見5選とその対処法5選!
昨今では、うつ病やメンタル疾患に対する理解が随分進んできたとはいえ、
まだまだうつ病患者への差別や誤解・偏見は根強く残っています。
表立って差別をされたりすることは少ないかもしれませんが、
相手の些細な言動から、うつ病に対する誤解や偏見を感じて落ち込んだり、
そんな話を偶然耳にしてしまい、傷付いてしまうこともあるでしょう。
私も生活の中でのたわいもない雑談の中で、
うつ病への誤解や偏見を感じることは、まだまだたくさんあります。
今日は、うつ病に対する誤解・偏見としてよくあるものを、
その理由と共に5つご紹介した後、
実際にそういった誤解や偏見に対して自分がどう対処していくべきか、
その方法について5つご紹介したいと思います。
残念ながら、今の時点でうつ病への誤解や偏見は社会レベルでなくなりませんので、
それを受けるリスクも常にある状態となります。
他者の心無い言葉に傷付いたとしても、
決して潰されずに、しっかりと自分の「今」を生き続けることが出来るために、
今日の記事でご紹介する内容が、少しでもお役に立てれば嬉しいなと思います。
それでは早速、見ていきましょう!
うつ病への誤解や偏見はなぜ無くならないの?
まず、うつ病とは何か、なぜ誤解や偏見がなかなか無くならないのかを考えてみましょう。
うつ病とは?
うつ病とは、落ち込みや意欲低下、倦怠感、睡眠障害(眠れないまたは過睡眠)、身体症状などが続く、
脳の不調と言われています。
脳内で、気分や意欲に関連するセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の機能低下と考えられており、
特に、精神を安定させたり幸せを感じたりする脳内物質であるセロトニンが不足していることが関与しているとされています。
誤解や偏見が減らない理由とは?
このように、うつ病とは脳の機能不全によるものにもかかわらず、
「心の病気」「心の風邪」などの抽象的な表現をされることが多いため、
「考え方が悪いから」や、「ちょっと休めば治るもの」
というような、誤解や偏見を受けやすいのだと思います。
また、風邪やインフルエンザのように多くの人が経験している疾患ではなく、
まだまだ一部の人のみが経験している病気であり、
また、うつ病と診断されても周りに公表せずにひたすら症状を隠して、無理して自然に振る舞っている人も多いため、
周りの理解が進まないことも原因だと思います。
更に、血液検査やCTスキャンなど明らかに数値や画像で診断されるものではなく、
精神科医との問診やスクリーニング(質問票に回答すること)で診断を受けるものですので、
客観的な判断が難しいというのも原因かなと思います。
人間というのは、ただでさえ自分が経験したことがないものには、なかなか想像が及ばないものです。
そして、未知のものや自分の理解や想像が及ばないものに対しては、
恐怖や嫌悪感を感じてしまう人も残念ながら多いのです。
「心の病気と呼ばれるよく分からないもの」として、
腫れ物を触るように近付こうとも理解をしようともしない人、
強い誤解や偏見を持ったままでいる人がなかなか減らないというのも、
ある程度、仕方の無いことだと思います。
とはいえ、少しでもうつ病に対する理解が深まり、1人でも多くの人の誤解や偏見が解消されるきっかけになればと思い、筆を進めます!
うつ病に対するよくある誤解・偏見5選!
それではそんなうつ病に対する誤解や偏見として、よく見られるものをご紹介してみます。
誤解・偏見その①「うつ病になるのは弱いからでしょ?」
「うつ病になるのは弱いから」
こんな風に思っている人は、まだまだとても多いです。
他人に思われてしまうだけでなく、
うつ病にかかってしまって苦しんでいる本人も、
「うつ病になってしまうなんて、自分が弱いからだ」
と、情けなさを感じたり、自分を責めたりしてしまいます。
自分でもそんな風に思ってしまうというのは、本当に本当に辛いことだと思います。
こんなふうに思われる理由はやっぱり、うつ病が脳の病気だと理解されておらず、
心の持ちようだと思われているからでしょう。
実際には、気合いや根性でどうにかなるものでもなく、
どんなに明るく自信満々で能力のある元気な人でも、
環境さえ揃えば、うつ病にかかってしまうものなのです。
「まさかあいつが・・・」「まさか自分が・・・」と、
自他ともに認めるタフな人間でも、
例えば、職場での過度なプレッシャーや過労が続いたり、
家庭での問題や介護疲れ、または悪質なクレーマーやイジメによって、
心を病んでしまうことは、よくある事なのです。
誤解・偏見その②うつ病患者って嘘つきでしょ?
うつ病の方が嘘つきと思われることもあります。
どうしてそんな風に思われてしまうのか、考えてみましょう。
「うつ病って言ってたけど意外と元気だった。」
「会社休んでたのに家族で出かけてるのを見た。」
「普通はご飯食べられなくなったり眠れなくなるんでしょ?大丈夫じゃん。」
こんな理由があげられるでしょう。
実際には?
実際には、本当にうつ病の症状がひどい時には、人前に出られないほど落ち込んで、
起き上がることも辛いほどの状態ですので、
そもそも大丈夫じゃない状態を他人に見られること自体がほとんどないはずです。
また、うつ病になってしまう人というのは他人に迷惑や心配をかけたくないと言う人が多いため、
必死に普通を装って無理をしている状態であることが多いため、
「会ったら意外と大丈夫そう」と思われるのは、当然なのかもしれません。
また、うつ病の時には通常、難しいことから出来なくなり、
徐々に普通なら簡単に出来るようなことも苦痛になってしまいます。
例えば、仕事でのミスが増え集中が出来なくなり、次第に趣味や親しい友達に会うことさえも苦痛になってしまう、という具合です。
そして、回復する際にはその逆で、簡単なことから出来るようになりますので、
仕事にはまだ行けないけど、外には出かけられるようになった、という状態があっても当然なはずです。
「仕事はまだ休んでるけど、出かけられるくらいには回復したんだな」とか、
「大変だろうに頑張って外に出てるんだな」と思って、
否定や蔑みではなく、エールを送ってくれるような人が増えていくような優しい社会に変わっていけば、
そもそもうつ病になってしまう人自体も減っていくのではないかと思います。
また、うつ病といっても必ずしも食欲低下や不眠の症状が出るとは限らず、
過食や過睡眠になってしまう人もいるということも、まだまだ理解が広まっていないものだと思います。
他には?
他にも、例えば体調に波があるため「昨日できたことが今日できない」場合や、
迷惑をかけたくないという気持ちから、本当は無理なんだけど大丈夫と言ってしまい、タスクを達成できないなども考えられます。
また、うつ病の時には思考が極端になってしまっているため、
大袈裟に話してしまったり、過度に強調しているように聞こえてしまい、
嘘つきだ、言っていることがアテにならないなどと思われてしまうことがあるのかもしれません。
必死で平気な振りをしてきたせいで逆に仮病だと思われてしまったり、
精一杯やった結果なのに嘘だと思われてしまう場面があるというのは、
当事者にとっては大変辛く悲しい、悔しいことだと思いますが、
「目に見えるものしか理解できない」
「はっきりと証拠がないものを信じられない」というのは、
相手が人間である以上、ある程度は仕方ない部分はあるものだと
割り切る気持ちが大切です。
誤解・偏見その③考え方の問題でしょ?
確かにうつ病というのは、
治療法として「認知療法」という考え方の歪みを治すという治療法があるほどですから、
考え方や性格が原因となっているというケースも多いです。
責任感が強い、完璧主義、白黒思考、几帳面、こだわりが強い、人からの頼みを断れない、自分の意見を言えない、人の目ばかり気にしてしまう、迷惑をかけたくない、「~べき」思考が強いなどの、
「性格要因」と呼ばれるものです。
でも、それよりも多いのが「環境要因」と呼ばれるもので、
例えば過労や身体的な苦痛、大切な人との死別や離別、家庭や職場での人間関係のトラブルや、結婚や昇格、引越しなどの環境の変化によるものです。
先程もお伝えしたように、どんなに性格的に前向きで明るい人でも、
環境の変化によって、うつ病を発症してしまうことはよくあるものなのです。
決して、考え方だけの問題=自分のせい、と言えるものではないと思います。
「自分の考え方が悪いんだ」と、責めてしまっていたあなたは、
今すぐ、その考えを手放してくださいね。
「こんな環境だったら、誰でもメンタルやられるわ!」くらい、
客観視して開き直れるようになれると良いですね。
誤解・偏見その④うつ病なんて甘えでしょ?
「落ち込むことなんて誰にでもあるんだから、うつ病なんてただの甘えでしょ?」
こういった言葉もよく聞きます。
確かに、いわゆる「うつ状態」というのは誰にでもあるものです。
例えば、失恋などで大切な人を無くした時など、数日間落ち込んで学校や会社に行けなかったりすることはあるでしょう。
しかし、うつ病というのはその程度が強く、症状が長く続き、生活に支障が出てしまうほどの苦痛を伴う場合に診断されるものです。
何日か経てば元気になる程度のうつ状態であれば、そもそもうつ病という診断はおりないのです。
うつ病とは最初にお伝えしたように、脳の神経伝達物質の不足や機能低下によるものです。
「うつ病はただの甘え」という精神論や根性論で、「気合いで乗り越えられる」ものでは決してないのです。
「自分は甘えているだけなんだ」と、様々な症状を気合いで乗り越えようと無理をすることで、
気付かないうちに症状が悪化し、回復により長い時間がかかってしまう人がとてもとても多いのも、
こういった社会の誤解、そして自分自身の思い込みによるものだと思います。
うつ病の症状が悪化する前に、精神科や心療内科を受診したり、
誰かに相談したりカウンセリングを利用するなどして、早期に手を打ちましょう。
誤解・偏見その⑤薬を飲めばすぐ治るんでしょ?
「薬でも飲んでゆっくり寝とけば治る」と簡単に思われているのは、
「うつ病は心の風邪」だと言われているせいでしょうか?
うつ病の治療には、確かにしっかりと睡眠時間を確保して身体を休めることがまずはとても重要ですし、
脳機能の低下に対する薬物療法は有効です。
例えば、セロトニンの量を増やすお薬などが処方されます。
でも、それだけで良くなるわけではなく、
うつ病の原因を作り出した環境を整える、いわゆる環境調整が、必ず必要です。
「こんな環境にいたら誰でもメンタルやられるわ!」という環境に気付かないまま、
「薬を飲めば治る」と、盲目的にお薬だけを飲んで症状を緩和させ、無理を重ねることは、
うつ病を治すどころか、悪化させることにも繋がりかねません。
また、仮にうつ病の症状が一旦回復したとしても、
うつ病を発症した時と同じ環境に戻れば、また再発しやすいというのは、
うつ病を経験した人でも、していない人でも、容易に想像ができるのではないでしょうか。
うつ病の治療法として、こちらの記事はとても分かりやすくイメージがつきやすいと思いますので、ご興味のある方は是非ご参考ください。
精神疾患の診断というのは大変難しいものだと思いますし、
どういう診断をされて何を処方されるかにもよりますが、
お薬にも、合う合わないがあったりして、
劇的に症状が緩和される方もいるようですが、
あまり効果を感じられない方もいるようです。
薬を飲めば治るという、シンプルで簡単なものでは無いんですね。
うつ病への誤解や偏見への対処法5選!
さて、ここからは、対処法というと大袈裟なのですが、
私なりに「こういうことを意識しておくと良いのでは」という、
心構えであったり、具体的な行動について、まとめてみます。
対処法その①他人は変えられないことを思い出す。
相手に悪気があってもなくても、誤解や偏見の言葉には、傷付けられるものです。
でも、そんな他人の言動は、あなたがコントロールできる領域では無いことを常に心に刻んでおきましょう。
あなたがどんなに苦しみを訴えても、うつ病を理解してもらおうと言葉を尽くしても、
相手が共感してくれるかどうかは、相手にかかっています。
他人は変えられない。
この人間関係の大原則を、常に頭に入れて、忘れないようにしてください。
どうしても分かってもらえなければ、距離をとる勇気が大切です。
対処法その②誤解や偏見が強い人とは距離をとる。
うつ病への誤解や偏見を持っているタイプは大きく2つに分かれます。
一般的なイメージだけでなんとなく偏見を持っている人と、
実際にうつ病の方と、嫌な経験をしたことがあるためにネガティブなイメージを持っている人です。
例えば、「過去に、うつ病の人に八つ当たりをされ酷いことを言われた」という経験や、
「うつ病の人の急な休職等で、自分の業務量がとてつもなく増えた」などです。
この場合、経験に基づいた強烈なネガティブイメージを、
あなたが塗り替えることは、不可能では無いですが、少し難しいかもしれません。
また、何となく一般的なイメージで誤解や偏見を持っている人の中にも、
固定観念が人より強い方もいます。
もちろん中には、うつ病に理解のある方、親身になって助けてくれる方や、気にせずに付き合ってくれる方ももちろんいますが、
誤解や偏見の強い人に遭遇した時の方が、衝撃や印象が大きいかもしれませんね。
しかし、そういった、ある一定数は必ずいるであろう「ネガティブイメージの強い人」に
うつ病についてやあなたの症状を理解をしてもらおうと努力をするのではなく、
そういう人たちとは適度に距離を取りつつ、
どちらかというと中立的な立場の、
「よく分からないけどこんな感じなのかな?」程度の人達に、
より深い理解をしてもらえるように努力をすると良いのでは無いでしょうか。
もちろん完全に理解をしてもらうことは難しいと思いますが、
少しでも苦しみに共感してもらえたり、サポートを得られるようになれば、
そしてそんな人が1人でも増えれば、
日々の生活が、随分楽になるのではないでしょうか。
対処法その③今の自分の状態をしっかりと伝える。
周りの人に自分を理解してもらうために、まずは自分の今の状態をしっかりと説明することが重要です。
今現在どういう症状があるのか、日常生活のどんなことに困難を感じているのか、
どういう時にどういう症状が強く出てしまうのか、などを
出来るだけ客観的に、具体的に、相手に伝えましょう。
例えば、これだけの睡眠時間は絶対に確保したいから残業は出来ない、クレーム対応はまだ難しい、などです。
具体的に自分の状態を把握して相手に伝える努力をすることで、
相手もどうしたら良いのか分かりやすくなり、仕事を進めやすくなります。
もちろん家庭でも同じように、家族なんだから察して気を遣ってほしいと期待するのではなく、
今の自分の状態を具体的に伝え、できるだけ正確に状況を把握してもらうよう努めましょう。
対処法その④出来ることと出来ないことを明確にし、行動で示す。
本当に出来ることと、どんなに頑張っても出来ないことを明確にした上で、
きちんとそれを行動に移しましょう。
今の自分にはできないことを周りにサポートしてもらう中で、
「実はできる」ことをしないでいると、相手にとって、かなり悪い印象を与えてしまいます。
それこそ、先にあげたようなうつ病への偏見を助長して強化してしまうことになるでしょう。
逆に言うと、「本当は出来ない」ことは、
「申し訳ないけれど今の自分にこれは出来ない」と、
ハッキリと伝える勇気を持つことが重要です。
「自分は本当にこんなことも出来ないのか?」と、
焦ったり自分にイライラしてしまう気持ちも分かりますが、
まずは、しっかりと周りのサポートを受けながらうつ病から回復して、自分らしさを取り戻すために、
常に、「今の自分に出来ることと出来ないこと」を明確にして、
「行動で示す」ことを、
きちんと意識して過ごしましょう。
対処法その⑤自分が大切にしているものを常に意識する。
最後はまた心構えの話になりますが、
自分にとって何が大切かというのをしっかりと自覚しましょう。
誤解や偏見は、残念ながらなくなりません。
しかし、そんな中でどうやって潰れずに自分を守るのかというと、
あなたにとって本当に一番大切なものをしっかりと理解し、優先できているかということが大切になって来るのではと思います。
自分にとっての大切な軸となるものが1つあれば、
周りの言動に大きく左右されたり過度に影響を受けたりせずに済むはずです。
自分が一番大切にしたいものは何かを、しっかりと考えて、それを守る行動ができるようにしておきましょう。
あなたが大切にしているもの、うつ病になってしまってまで守りたかったもの、うつ病になってしまったけれど失いたくないものは、なんでしょうか。
仕事を頑張らなければと思っていたのは誰のためでしたか。
出世をしたいと思っていたのは、何のためだったのでしょうか。
今、目の前にいる他人にあなたの本当の能力を見せつけることが一番大切なことでしょうか。
会社は、いざという時にあなたを助けてくれるものではありません。
お金は大切ですが、お金さえあれば幸せな訳ではありません。
地位や名誉は、時代と共にその価値が揺れ動くものです。
いつかあなたが最期の時を迎える時に、後悔しないための生き方とはどんなものでしょう。
自分の目の前に偉そうに立ち塞がって道を塞いでいる自分自身の意地やプライド、こだわりではなく、
本当に自分の軸となるような、一番大切なものは何なのかということに目を向けましょう。
人生の器を、大きな石から埋めていけという哲学の話を聞いたことがある方も多いかもしれません。
人生とは、大切なものから優先していかないと、自分にとって本当は価値のないものばかりに隙間を埋められ、
本当に大切なものを入れる余裕がなくなってしまう、というお話です。
その教えを忘れず、しっかりと自分にとって本当に大切なものを常に意識し、優先する勇気を持ちましょう。
そもそも、うつ病を周りに打ち明けるべきなのか?
うつ病になってしまったことを家族や職場に伝えるべきか悩んでいる方も多いと思います。
上記にお伝えした様々な誤解や偏見により、
会社で「出来ない奴だ」とレッテルを貼られてしまったり、出世コースから外されてしまうことを恐れ、
ギリギリまで踏ん張ってしまう人も多くありません。
また、家族に迷惑をかけたくない、心配をかけたなくない、などの理由や、
身近な存在だからこそ、弱さや甘えだと思われたり、否定されたり叱責されるのが怖い、と不安に思っている方もいるかもしれません。
実際に、「周りにはうつ病であることは言わない方がいい」という考えの精神科医の先生もいらっしゃるようです。
でも、私の個人的な意見としては、
家族や、職場で直接業務に関わるような近しい関係の人には、
やはり打ち明けた方がいいのでは、と考えます。
うつ病であることを秘密にして、1人で抱え込んで無理をして悪化させてしまうリスクを取るよりも、
周りにカミングアウトすることで、必要な理解やサポートを得られたり、
結果として迷惑をかけないということに繋がると思うからです。
差別や偏見がまだまだ多い以上、むやみやたらに他人に言いふらす必要は無いと思いますが、
やはり生活の中で、直接的な関わりのある人には、しっかりと伝えた方がいいのではないでしょうか。
世間での理解も進んでいますし、想像しているほど辛辣なことを、
少なくとも表面上は言われることは無いのではと思います。
「何も言われなくても、心の中でどう思ってるか分からないし・・・」と、
周りからの評価や視線が不安でたまらない方は、
「他人の言動は変えられない」の原則を思い出しましょう。
他人が心の中でどう思っているかというのは、
うつ病であろうとなかろうと、
そもそも誰にも分からないものなんです。
うつ病に強い偏見を持っているあなたへ。
表面的に「私は偏見は無い」「うつ病を理解している」と言っていたとしても、
心の中では、今日ご紹介したような、うつ病に対する強い偏見を持っている人というのは、
実は逆に、うつ病にかかりやすい性格かなとも思っています。
他人に厳しく否定的な人は、自分にも厳しく否定的だったりします。
物事に対してこうだと決めつけていたり、それ以外の視点を見つけようとしない頑固な姿勢というのも、
先程お伝えしたような、うつ病にかかりやすい性格と言えるかなと感じます。
そういうタイプの方がこの記事にたどり着くのか、そして、果たしてここまで読み進めてくださっているのかは分かりませんが、
もしも、今これを読んでくださっているあなたが、今少しでもハッとしているのであれば、
物事を自分の物差しで決めつけない、物事に絶対は無い、誰しも完璧では無い、
と言うような、柔軟で視野の広い考え方を、少しでも意識してくださると良いなと思います。
あなたのそのような学ぼう・変わろうとする姿勢そのものが、
いつかあなたの周りで苦しんでいる人や、あなた自身を、救うことになるかもしれません。
最後に。
うつ病への社会全体の理解がなかなか進まない一方、
うつ病になってしまった自分を責めたり、
将来を考えて不安になったりすることもあると思います。
周りからの誤解や偏見以上に、
自分が自分に向けているネガティブな感情に苦しんでいる人の方が実は多いのも、
うつ病の辛さではないでしょうか。
そんな中で、時にそのことで周りの人にあたったり、愚痴を撒き散らしたり、誰かに過剰に依存してしまうこともあると思いますが、
そのような行為は、うつ病への偏見を助長し強化することに繋がりかねません。
今日、対処法としてお伝えした心構えと行動を心がけていただき、
服薬やカウンセリングを利用して症状を緩和させたり、
自分の思考を書き出して客観視したり、
気持ちを吐き出すことで気持ちを落ち着かせたりと、
自分で出来る努力を、少しづつで良いので進めていきましょう。
今この記事を読んでいるように、自分自身がうつ病への理解をより深め、偏見から抜け出すことも、大きな一歩です。
「そうは言っても、分かっていてもできない日もあるんだよ・・・。」
そうですよね。
でも、それでいいんですよ。
毎日努力できる自分でいなければならない、と思うところから既に、更なる苦しみへの入口に立っています。
圧倒的スピードで1ミリも妥協せずに常に努力できるような超人であれば、こんな記事を読む前に、とっくに回復しています。
普通の人間である私も含めあなたは、100点満点なんて目指さなくていいんです。
出来たり出来なかったりで、いいんです。
時々出来ている方の自分をしっかりと認め、褒めてあげましょう。
しかも、「分かっていなくて出来てない」より、
「分かっているのに出来てない」方が、いいんです。
分かっていれば、調子が良くなればまた、意識して努力することが出来ますからね。
焦る気持ちはよく分かります。
誰だって、周りに迷惑をかけていると感じたり、本来は出来ていたことが出来なくなったら、
早く元の自分に戻りたくて焦りますし、
なかなか回復しない自分がもどかしかったり、思うように行動できない自分に自己嫌悪になると思います。
このまま一生自分はこうなんだ、と、絶望的に感じる日もあると思います。
でも、道は必ず開けます。
明日にはいつも新しい1日が始まり、
未来には、必ず今とは違う日々が待っています。
人生には波があり、流れがあります。
今のあなたが良い波に乗れていなくて、荒波に流されて流されて溺れてしまっているように思っていても、
必ず、違う波はまたやって来るものです。
止まない雨はない。
明けない夜はない。
先人たちのそんな言葉を胸に、
暗闇の先にある光を信じて、
しっかりと、目の前にある「今」を生きていきましょうね。
あなたは悪くない。
頑張ってこの記事を最後まで読み進めてくださって、本当にありがとうございます。
そんなあなたの今日の努力が、必ず明日の笑顔に繋がると、私は信じています。
あなたも、信じてくださいね。
神田華子でした。