楽観性は身につくもの!楽観的になることのメリットと高めるための考え方をご紹介!

楽観的であることは心身の健康に良いとされています。

楽観的になりやすいかどうかは、生まれ持った気質にも影響を受けますが、育ってきた環境や文化背景により多くの影響を受けていると言われています。

つまり、楽観性は後天的に身に付けることが出来るんです。

フランスの哲学者・アランはこう言いました。

「悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する」

うーん、哲学者というのは本当にうまいことを言いますね・・・。  

つまり、あなたは自分の意志で楽観的になれるということです!

今日は、楽観的な人の特徴と、楽観性を高めるメリット、そして、どうやったら楽観性を高めることが出来るかについてご説明したいと思います。

もちろん、悲観主義者が悪いと言っているわけではありません。

物事を慎重に進めたり、現実的な勝算を見極めたりと、悲観的な観点がメリットになることも多々あるのです。

しかし、いつも悲観的な考え方に偏ってしまい、不安で思い悩んだり精神的に苦しいことが多いのであれば、

本日ご紹介する方法で、楽観的な人の思考の特徴や楽観性を高める方法を知ることで、

「楽観的でいる」ことを自分の意志で選択し、今よりも少しバランスを取ることが出来るようになるキッカケにしていただければいいなと思います。

既に自分では楽観的だと感じている人も、特徴を客観的に知ることでその考えを更に強化できることができますし、

楽観性が高すぎることのデメリットも知っていただくことで、ご自身が陥ってしまう可能性のあるリスクを意識することで、よりバランスの取れた楽観主義者になれることでしょう。

それでは早速、一緒に勉強していきましょう!

楽観的と楽天的の違いは?

楽観的と楽天的という同じような言葉がありますが、この2つの意味にはどういう違いがあるかご存知でしょうか。

楽観的というのは、「未来」の見通しに対して前向きであるのに対し、

楽天的というのは、すでに起きているものごと、「過去」の出来事に対して前向きに捉え、くよくよせずに受け入れるという意味合いの違いがあります。

楽観的も楽天的も、能天気でお気楽といったネガティブな捉え方をされることもありますが、

どちらも物事を前向きに捉えるというポジティブな側面を持っています。

楽観主義者、悲観主義者とは、どんな人?

楽観主義者と悲観主義者には、物事の考え方や行動に大きな違いがあります。

それぞれの特徴は長所にも短所にもなりえるところですので、「自分はこうだから悪い」などと考えず、

自分にとって短所となって目立ってしまっている部分を、どうやって長所に変えられるかということに目を向けて頂ければと思います。

とにかく行動を起こす⇔思慮深くなかなか行動に移せない

楽観主義者は「きっとうまくいくだろう」と前向きに見通しを考えることができるため、すぐに行動にうつすことができます。

しかし、悪く言うと、よく考えずに行動してしまったり、危機感がなく自分のペースで突き進み、ネガティブな事態を想定できていないというデメリットにもなりえます。

それでも、走りながら考える、くよくよせずに前向きに軌道修正が出来るという柔軟さを活かして乗り越えることが出来れば、短所を長所に変えることができるでしょう。

一方で、悲観主義者は思慮深く、最悪の結果やリスクばかり考えてしまい、なかなか行動にうつすことが出来ません。

慎重な行動を求められる場面や、危機管理などにおいては、大きな強みとなるでしょう。

原因を周りに求める⇔自分を責める

楽観主義者は何か悪いことがあった時に、原因を外に求めます。

「タイミングが悪かったんだろう」「あの人が協力してくれなかったから仕方がない」と、ネガティブな結果の原因は自分以外にあると考えがちです。

対して悲観主義者は「自分には能力が足りなかった」「自分の判断ミスのせいだ」と、自分を責めてしまいがちです。

これは、楽観主義者では他責思考で責任感の無さや、ミスをしても気にしないという能天気さというデメリットになりえますし、

悲観主義者では必要以上に自分を責めてしまいメンタルヘルスを害してしまう可能性があります。

いずれにせよ、楽観性が高すぎても悲観性が高すぎても、適切なフィードバックが出来なくなってしまいます。

何事もバランスというのが大切ですね。

柔軟に目標や認識を変えられる⇔完璧主義

楽観主義者は基本的に物事はうまくいくだろう、周りも協力してくれるだろうとポジティブに考えることが出来る上に、

失敗したりうまくいかなくても、くよくよせずに軌道修正して前向きに進んでいけるので、自分の目標や認識を変えることにも抵抗が少ないです。

一方で、悲観主義者は完璧主義であることが多く、些細な失敗でも、もうダメだ~と落ち込んで、すべてを諦めたり放棄したりしてしまいます。

柔軟性があるというのは一貫性が無いとも言えますし、完璧主義ではこだわりが強く物事の完成度が高いというメリットも持ち合わせてはいますが、

世の中、そして人生において、なかなか完璧というのは難しいものですよね。

極端な悲観主義、完璧主義は、やっぱり自分が疲れてしまう原因になってしまいます。

楽観主義者と悲観主義者の根本的な考え方の違い。

上でお伝えしたことにも共通するのですが、楽観主義者と悲観主義者には、根本的な物事の捉え方に大きな違いがあります。

私たちは生きていく上で様々な出来事に直面しますが、その時に、「なぜそうなったか」ということに対する、自分や他人への説明の仕方が、大きく違うのです。

この、いわば説明や思考の「癖」は、下記3つの要素から成り立っています。

「永続的 ⇔ 一時的」

「全体的 ⇔ 特定的」

「自分に原因がある ⇔ 外に原因がある」

この3つの要素に対する説明スタイルが、楽観主義者と悲観主義者では反対で、また、良いことが起きた時と悪いことが起きた時にも反対になります。

面白いですね。1つずつ見ていきましょう。

「永続的 ⇔ 一時的」 (時間の軸)

何か良いことが起こった時、楽観主義者はその状態が永続的だと考えますが、悲観主義者は一時的だと考えます。

何か悪いことが起こった時は、楽観主義者はその状態は一時的だと考えますが、悲観主義者は永続的だと考えてしまいます。

つまり、良い状態にいるときに、楽観主義者は「この良い状態は続くだろう(永続的なものだ)」と考えるのに対し、

悲観主義者は、「今回たまたま良かっただけで、この状況が続くわけがない(一時的なものだ)」と考えます。

悪い状態にいるときは、楽観主義者は「明日はよくなるだろう(一時的)」と考えるのに対し、

悲観主義者は「今日も悪かったんだから明日も悪いに違いない(永続的)」と考えます。

「全体的 ⇔ 特定的」 (範囲の軸)

「全体的」とは「普遍的」ともいわれますが、ある特定の出来事が、全体的にいつもあてはまるものなのか、特定されるその場限りのものなのか、という、範囲についての捉え方です。

楽観主義者は、良いことに対しては全体的・普遍的なものだと考え、悪いことに対しては特定的なものだと考えます。

悲観主義者は、良いことに対しては範囲を限定して考えるのに対し、悪いことに対しては全体的・普遍的なものだと考えます。

例えば、悲観主義者は、良いことが起きた時には、「〇〇だけは得意なんです」と範囲を限定し、

悪いことが起きた時は「自分は本当にダメな人間だ」とすべてを否定してしまう、といった感じです。

「自分に原因がある ⇔ 外に原因がある」(原因帰属の軸)

楽観主義者は良いことが起きた時には自分に原因があると考え、悪いことが起きた時には周りに原因があると考えます。

悲観主義者はその反対で、良いことは周りのおかげ、悪いことは自分のせい、と考えます。

これは日本人的には美徳のように感じられるかもしれませんし、

実際に、驕ることなく周りに感謝し、自分の悪かったところを振り返り反省するということは、とても大切なことだと思います。

しかし、この傾向が強すぎると、やはり窮屈さや生きづらさ、自己否定に繋がってしまうんですね。

自分の功績もしっかりと認め、傲慢になることなく周りにもきちんと感謝できる、そんなバランスを身に付けたいですね。

以上、ご自身や周囲の身近な人に当てはめてみると、なかなか面白いのではないでしょうか。

私の周りにも典型的な楽天主義者と悲観主義者がいますが、上記のような観点で見ると、日ごろの口癖がまったく違います。

「やっぱ俺ってすげーな」「いつも運がいいんだよな」と言っているタイプと、

「今回だけ、たまたまです!」「いつも悪いことばっかり起こるんですよね」と言っているタイプ。

どちらが楽観主義者かは、一目瞭然ですよね。

例え何かがうまくいかずに諦める場合でも、楽観主義者の場合は「一時的」「特定的」「周りのせい」だと考え、くよくよせずに次の目標を見つけられる一方で、

悲観主義者は、目標が達成できなかったという結果に加え、「永続的」「全体的」「自分のせい」だという考えから、「自分にはどうせ無理だ。何をやってもダメな人間なんだ」と、自己否定にまでつながってしまうのです。

これは最初に説明した通り、生まれ持った性格ではなく、後から身についた思考の癖です。

何かを人に説明するときのスタイルや、自分の考え方の「癖」を意識することで、より柔軟な楽観性を身に付けていけるとベストですね。

国によって楽観性のタイプが違う!

余談ですが、国によって楽観性のタイプが違うと言われています。

例えばアメリカ人は、「自分にとてつもなく良いことが起こる」と思う非現実的楽観性が高く、

日本人は「自分にはとてつもなく不幸なことは起こらないだろう」という控えめな楽観性が高いと言われています。

確かに日本では、「自分にはとてつもなく不幸なことは起こらないだろうが、とてつもなくラッキーなことも起こらず、平々凡々な日々が続くだろう」と、

今の平和な生活を当たり前に思っている人が多いかもしれません。

これは、ある意味では消極的な楽観性ですね。

面白いですね。

楽観性を高めるメリット4つ

さて、ここまで書いたのでもう分かってくださったかと思いますが、楽観性を高めることのメリットを4つご紹介します。

【1】心の健康を保ちやすい

言わずもがな、楽観的な方が幸福度が高く、心の健康を保ちやすいです。

そして、心と身体はつながっています。

アメリカの研究では、楽観主義者の方が寿命が11~15%も長く、85歳以上まで生きる割合も高いというものもあります。

心も身体も元気に楽しく長生きしたいのであれば、楽観性を高めることは必須と言えるかもしれません。

【2】行動力が高まる

決断が早く行動力があります。

また、人間関係も前向きに捉えるので、他人と積極的にコミュニケーションを取ることができ、楽観的な考え方からくる明るさで周囲も明るい雰囲気にすることができます。

そういう方にはやはり人が集まり、応援されるので、更に行動を起こしやすいという好循環を生むのです。

失敗を恐れずにチャレンジする、トライアンドエラーの精神で柔軟に軌道修正ができるというのは

楽観性が高いことの大きな魅力であり強みであると言えるでしょう。

【3】モチベーションを保てる

楽観性が高いということは、「自分はうまくやれるだろう」「あの人も応援してくれるだろう」という自信につながり、

その楽観主義がもたらす自信によって、目標を達成する上で必要なやる気を継続させることができます。

自分は成功できる、明日は今日よりきっとよくなるという前向きな見通しがあるからこそ、

今日も頑張ろうという意欲につながり、高いモチベーションを保つことや、パフォーマンスの向上につながるのです。

楽観的であるだけではだめ!

根拠もなく幸運がやってくるのをただ待つだけで何の努力もしない不毛な楽観主義者では、もちろん良い結果は生み出せません。

楽観性を高めることで、将来に対して肯定的な期待を抱き、それが行動を引き起こすモチベーションを保つことに繋がり、

目標を達成するために具体的な行動を起こせるからこそ、それ相応の結果を導くことが出来るのです。

楽観性を高める方法5つ

基本的には上記の特徴でお伝えした説明スタイルや思考の癖を、今と反対側に寄せていくことでバランスがとれるようにはなるのですが、

より具体的な方法をお伝えしたいと思います。

(1)寝る前に、良かったことを3つ考える。

悲観主義だったり完璧主義な人は、出来なかったことや不足している部分など、悪いことばかりに目を向けがちです。

意識して、良かったところを見つけるようにしましょう。

寝る前に、自分自身やその日に起きた良かったこと、出来たことを考えたり思い出すことで一日を締めくくることで、

より前向きな思考を癖づけることができるでしょう。

日記やノートに書くなどして、見える化して書き残すことも非常に効果的です。

悪い部分にばかり注目する癖がついていると、最初は、「良かったことなんて思いつかない!」

そんな風に思ってしまうかもしれません。

でも、長所と短所は裏表です。

一見、不運や不幸にしか見えないような出来事の中にも、必ず良い面が見つけられるはずです。

100パーセント、誰がどう見ても、何年経っても悪い面しか見つからないという出来事はないです。

まずは無理やりでも大丈夫です。

ポジティブな側面を見つけようと、考えることが大事です。

物事の良い面を常に見つけるように意識することで、自然と楽観性が高まっていくはずです。

(2)自分を責めるのをやめる。

他人のせいにしろとは言いません。

でも、何事も自分だけのせいということはまずありません。

環境やタイミング、周囲の理解が足りなかったなど、自分以外の原因にも目を向けてみましょう。

そして、そういった外的要因をより整えるためにどうしたら良いかを具体的に考えることで、

自分を責めている時間が減り、結果的に前向きな言動が増えているはずです。

(3)自分が努力してどんどん良くなる姿を想像する。

これは心理学の実験で効果があった方法らしいのですが、

自分が将来最高の状態でいる様子、すべてがうまくいってる状態を、

想像したり書き出したりすることを定期的にすると、楽観性が上がると言われているそうです。

未来に期待して、「自分には出来る」と思うとワクワクしますよね。

週に1回など、定期的に行うことで楽観性が高まりますので、具体的に思い浮かべてくださいね。

1で紹介した「寝る前に良いことを思い出す」のと同じように、寝る前にイメージトレーニングをする習慣をつけるのも良いかもしれませんね。

(4)周りにいる楽観的な人をロールモデルにして、その人ならなんと言うかと想像する。

何事も、自分でやったことのないことを急にやろうと思っても、どうしていいか分からないものです。

他人の真似から始めましょう。

楽観的でいつも行動力のある明るいあの人気者は、普段どんなことを言っているかな?

どんな口癖を持っているかな?

意識して観察してみましょう。

そして、「あの人ならこの場面で何というだろうか?」と想像してみることで

楽観的な思考を少しずつ身に付けることはできます。

最後に。

楽観主義も行き過ぎるとデメリットにはなりますが、自分が幸せや意欲を感じられて、心が安定しやすいというメリットは、とても大きく魅力的なものだと思います。

自分が悲観気味だなと感じる方は、是非今日ご紹介した考え方を参考に、

バランスの良い悲観主義者、または楽観主義者を目指してみてくださいね。

私は、昨日より今日、今日より明日と、1ミリでも成長する過程が楽しく、幸せだと思います。

最後に、私の好きな赤毛のアンの言葉を紹介して終わりますね。

周囲からの誤解や、度重なる失敗で落ち込んでいるアンが、自分を励ますように言う言葉です。

“Tomorrow is always fresh, with no mistakes in it yet.”

(明日というのはいつも新しい一日で、そして、まだ何一つ失敗のない一日なのよ。)

これまでの人生、今日まで、色んな失敗をしてきたかもしれません。

これからも失敗をするでしょう。

でも、明日になればいつも新しい一日が始まるのです。

うまくいかなくても、寝て起きたら真っ新な一日がいつも待っている。

そう思うと元気が出ますよね、という励ましの言葉です。

赤毛のアンを呼んだことが無い方は、是非一度読んでみてほしいなと思います。

悲観的な状況の中でも前向きに、楽観的に考えるためのヒントとなる名言がたくさん詰まっています。

明日は今日よりきっとよくなる。

明日がダメでも、明後日がある。

私たちはいつ、どこからでも変われるし、行動を起こせます。

そんな風に、人生を長い目で、前向きに生きていきたいですね。

神田華子でした。