仕事だから当たり前?感謝の気持ちを持ってみよう。
「そんなの仕事なんだから当たり前でしょ。」
そんなことを、誰かが言っているのを聞いた事はないですか?
または、あなたが誰かに言われたり、誰かに対して言ったことはないでしょうか?
それは、誰か他の人に向けられた言葉でしたか?
それとも、あなたがあなた自身に対して言った言葉でしょうか?
そう言った時のあなたの気持ちはどうだったか、思い出してみましょう。
イライラしたり、不平や不満を持ったりしていませんでしたか?
また、言われた時の気持ちはどうでしょう?
それはそうかもしれないけど・・・と、何だか少し寂しいような虚しいような気持ちになりませんでしたか?
「仕事だから当たり前」という言葉を、
「ちゃんと仕事をしてくれてありがとう」
「自分の仕事とはいえ、一生懸命こなしてくれてありがとう」
そんな言葉に変えてみると、あなたの世界はどんな風に変わるでしょうか?
「仕事は責任をもってこなすもの。」
「言われたことはきちんと完成させること。」
「忘れずにミスなく仕上げること。」
「それは当たり前のこと。」
もし、あなたがそんな風に考えているのであれば、
あなたはとっても責任感が強く、頑張り屋さんなんだと思います。
でも、ちょっと毎日疲れるな・・・とか、
人間関係が上手くいかないな・・・と感じるようであれば、
是非、少し肩の力を抜いてリラックスして、今日の記事を読んでみてください。
「仕事だから当たり前」ではない!
100を求められた仕事を100で提出するのは、当たり前だと思うかもしれません。
でも、そんな「当たり前」のことをやらない人、出来ない人は、世の中にたくさんいるのです。
決して「仕事だから当たり前」ではないのです。
特に、日本では当たり前の基準が高過ぎます。
「主婦だから当たり前」
「大人だから当たり前」
「親だから当たり前」
そんな、「~だから当たり前」という思い込みで、お互いをがんじがらめに縛るのは、もうやめませんか?
「こんなの当たり前」と思った時には、
「これが当たり前じゃないケースは、世の中に存在するだろうか?」
と、自分自身によく問いかけてみてください。
「絶対に存在しない」と思えるケースは、実はほとんど無いはずです。
誰かの仕事に対して、あなたが「当たり前」だと感じているとしたら、
有難いなと相手に優しく微笑みかけたり、相手への感謝の気持ちや労いの言葉は、出てきませんよね。
相手を認めるという言動である「微笑み」や「感謝」や「労い」がなければ、人間関係はなかなか上手くいきません。
あなたの人間関係はあなたが作る。
そんな時、「当たり前だと思いそうになる自分」をぐっとこらえ、
「仕事をきちんとしてくれた」ことに対し、感謝の気持ちを言葉にしてみましょう。
そうすると、相手はどんな気持ちになり、人間関係はどんな風に変化していくかを観察してみましょう。
「自分のやるべき仕事をやっただけで、認めてもらおうとしたり褒めてもらおうとするのは甘えだ」
そんな風に思っている人がいるかもしれません。
それは、あなたが過去に誰かから言われた言葉かもしれません。
でも、それを言われた時のあなたは、悔しかったり虚しかったりして、心が傷ついたのでは無いでしょうか?
それなら、そんな不快なゲームは貴方から終わりにしませんか。
「仕事だからやって当たり前」
こんな寂しいことは、自分に言うのも、他人に言うのも、やめましょう。
「ありがとう」で、仕事がよりスムーズに進む。
また、100あるべき仕事を、それ以下、例えば60の出来で提出してきた人に対しても、
何かしら感謝できる点が、必ず見つかるはずです。
「忘れずに対応してくれてありがとう」
「早めに提出してくれてありがとう」
「この部分を中心に整えてくれてありがとう」
など、まずは労力をかけてくれたことに感謝の気持ちを表し、その上でどこが改善できるかを伝えてみましょう。
誰だって、自分の仕事や頑張りを認めて欲しい気持ちがあるものです。
そんな感謝や労いの言葉から続く指導やアドバイスであれば、相手もより受け入れやすくなるでしょう。
そうすることであなた自身の仕事もよりスムーズに進められるようになるはずです。
私たちの多くは仕事という形で社会に貢献しており、仕事に一日の多くの時間を費やしています。
そして、私たちが日々こうして生活を送れるのは、すべて誰かの仕事の賜物です。
「仕事だから当たり前」
「お金をもらってるんだから当然」
そんな風に、お互いに厳しい社会よりも、
「仕事をしてくれてありがとう」と、感謝し合っている社会の方が、気持ち良いと思いませんか?
あなたが心から相手への感謝を言葉にできた瞬間から、あなたの世界は今よりもっと優しいものになります。
最初は心からそう思えなくても構いません。
言葉に出すことが重要です。
脳は錯覚するもの。
脳というのは、あなたが発している言葉を耳から取り入れた時に、それがあなた自身から発せられた言葉だと認識しません。
あなたが他人に投げかけている言葉は、そのままあなたの心に入ってきています。
誰かの悪口をいうと、それが自分の心に突き刺さってネガティブな気持ちになります。
良いことを口に出すとポジティブな気持ちになるのです。
人に優しい言葉をかけると、自分も優しくされたように感じるのです。
誰かに優しくするということは、自分に優しくするということにもなるんですね。
まずは、ポジティブな言葉を口に出してみましょう。
そうすると、その理由をあなたの脳はフル回転で探してくれます。
脳は強化学習する。
脳は繰り返しに弱いと言われています。
新雪の丘の上にソリが滑ると轍がつくように、何度も通れば通るほど、その跡は深くなっていきます。
一度通った道は通りやすくなるように、一度学習したことはどんどん簡単になるのです。
例えば、ジャグリングを始めてした人は上手く出来ないものですが、脳が慣れてくるとボールがよく見えるようになり、上手くなっていきますよね。
考え方もそうです。
物事の良いところを探そうという癖がつくと、だんだんとよく見えるようになり、すぐに気付けるようになります。
もちろん、残念ながらその反対に、否定的なことばかり考えていると悪いところばかり見つけてしまいますし、
口癖なんかも、ある刺激に対して反射的に出てしまうように、脳がそれを学習しているからです。
何度も口にする言葉、何度も耳にすること、目にする言葉は、自己暗示のような効果があるのです。
心理学では、「アファーメーション」(深層自己説得)と呼ばれています。
例えば、目標や目的を書いた貼り紙を目立つところに貼っておくことは、
同じ言葉を何度も繰り返し目にすることになるので、アファーメーションの効果があると言われています。
自分に言い聞かせるというのは、潜在意識に何度も働きかけるということです。
最初は「仕事なんだから当たり前だ」と心の中では思いつつも、
「〇〇してくれてありがとう」と感謝の言葉を先に伝えることを心がけておくと、
だんだんと脳が「当たり前」という思考を忘れて、「目の前にあるものの、どこに対してありがとうが言えるだろう」と、自然に考え始めるようになります。
そうなると、あなたの人間関係は少しずつ変化し、あなたの感じている世界がどんどん優しくなっていくはずです。
謙遜でもやめよう。
自分で自分の仕事を「こんなの仕事だから当たり前ですよ」と、謙遜して言っている方もいると思います。
でも、そんな方だって、相手に「まぁそりゃそうですよね」と相槌を返されたら、ちょっと嫌な気分になるのではないでしょうか?
「仕事だから当たり前」と言うのは、自分にも相手にも言葉に出して言うのはやめましょう。
「これが仕事なんですけど、お役に立てて嬉しいです」とか、「そう言っていただけて有難いです」というような言い方に変えてみましょう。
相手への感謝や自分の喜びを表現できる言い方であれば、
傲慢になっている雰囲気も、「仕事だからやってるだけ」という後ろ向きなニュアンスもなく、謙遜の代わりにとっても良い言い方だと思います。
最後に。
私も昔は、周りの影響で同じように「仕事だから当たり前」と、考えていた時期がありました。
「お金をもらってるんだから当たり前」
「お金を払っているんだから当たり前」
というような考え方です。
でも、そんな言葉を口に出した時も心の中で思っただけの時も、なんだか心がズキっとしたのを覚えています。
その時の私というのは今よりもっと気持ちが不安定でしたし
他人に対してイライラすることも、今よりずっと多かったです。
自分自身に対しても、自分には常に何かが足りないような気がして、常に将来の焦りや不安を感じ、心に余裕がなかったと思います。
「あなたがやってることは全部当たり前」という気持ちは、
直接的な言葉として伝わらなくても、心に抱いているネガティブな感情や敵意として、口調や言動から伝わるものです。
そこから、健全で良好な人間関係を築くことは難しいでしょう。
そしてこれは、会社や組織内での仕事だけに限られることではありません。
仕事というのは労働の対価としてお金がもらえるものだけではなく、
家事、育児、介護なども含まれますし、子供の仕事は遊ぶことや勉強ですよね。
誰かの何かしらの労力や成果に対して、
当たり前と言わずに、その出来栄えがどうであれ、きちんと認めて感謝の気持ちを言葉にしてかけてみる。
そんなことから、あなたの優しい世界は始まるのです。
良い人間関係は、良い人生を作ります。
みんなと仲良くする必要はありません。
誰とでも良い関係を作ろう、保とう、とする必要は全くないんです。
でも、目の前に差し出された仕事や労力に対しては、きちんと認めて感謝や労いの言葉を口にしてみることは、
いつでも誰に対してでも、すぐに実践出来るのでは無いでしょうか。
その優しい言葉は、あなた自身にも必ず届いていますよ。
神田華子でした。