脳科学で見る!どうやったら幸せになれるの?
あなたは今、幸せですか?
幸せって何でしょう?
あなたはどんな時に幸せを感じますか?
あなたが幸せだな~と感じている時、あなたの脳内で何が起こっているか、考えたことはあるでしょうか。
「幸せかどうかを考えるときに、脳内がどうとかって、関係なくない?」
そんな風に思った方もいらっしゃるかもしれません。
でも、私たちの「幸せ」と感じる気持ちや感情は、脳内で作り出されているものです。
脳科学の観点から、幸せというものを理解してみることは、実はとっても重要なんですよ。
今日は、「脳内で幸せを感じるメカニズム」についてご紹介した後、どうやって幸せになれば良いかということについて、脳科学的な観点からお話したいと思います。
幸せのために重要な3つの脳内物質とは?
ざっくり言って幸せのために重要な脳内物質は3つあります。
それが、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンです。
この3つがすべてそろって初めて幸せということではなく、それぞれで十分な幸せを感じるものですが
現代社会において、その幸せをどう目指していくのが良いか、早速1つずつ見ていきましょう。
健康って幸せ!セロトニン。
セロトニンによる幸福感というのは、生命体としての心と身体の健康です。
気分を前向きにしてやる気を出させてくれたり、メンタルを安定させてくれます。
「幸せホルモン」としてメディアなどでもよく耳にするかもしれませんが、実はセロトニンはホルモンではなく脳内の神経伝達物質です。
ホルモンとは、血流を介して全身に送られる分泌物で、
脳内神経伝達物質とは、脳内のシナプス(神経細胞の結合部分)で、
神経同士が会話をするために出しているものです。(・・・と、脳科学の先生がおっしゃっていました。)
まぁ、そんな細かい話は置いておいて、心と身体を安定させて幸せを感じやすくする脳内物質だと理解してください。
体調がいい、気分がいい、という状態で、リラックスできたり、爽やかで晴れ晴れとした気持ち、ホッとしたり癒されたりする安心感のある感覚は、セロトニンが分泌されているから感じられるのです。
セロトニンが少ないと、イライラしやすかったり、落ち込んだ時に立ち直りにくくなったりしますし、
セロトニンが多いと、精神的に安定し、困難な状況でも心の安らぎを保てます。
幸せになるために最も重要なセロトニン、しっかり覚えておきましょう。
リズム運動、咀嚼、日光浴等で分泌が促されると言われています。
つながりを感じる幸せ!オキシトシン。
人や動物との触れ合いで分泌されるのがオキシトシンです。
オキシトシンは、幸せホルモンや愛情ホルモン、癒しホルモン、絆ホルモン、信頼のホルモン等、様々な別名を持っているようですが、
自分以外の他者とのつながりによって生まれる幸福感に関連しているのがオキシトシンだと言われています。
家族や友人、恋人、ペットなどとのスキンシップや、楽しいお喋りなどで分泌されます。
良好で安定した人間関係を築くことは、人間の幸福にとって大変重要であることは、皆さんも実感されていることだと思います。
「手当」というように、お母さんにさすってもらっただけでホッとして痛みが緩和されたり、信頼できる人の胸に包まれると安心したり癒されるような気持ちになったりした時にも、オキシトシンが出ていると言われています。
アニマルセラピーでうつ病や認知症が改善されたりという話も聞いたことがあると思いますが、それもオキシトシン分泌の効果によるものだとされています。
リラクゼーション系のマッサージでも分泌されると言われれており、その効果はセルフマッサージでも出るそうですので、是非試してみてくださいね。
達成感の快楽!ドーパミン。
ドーパミンは、達成感と快楽に関連する脳内物質です。
達成感を感じて嬉しい!何かを得られて楽しい!と思ったときには、ドーパミンが出ています。
やる気ホルモンという別名からも分かるように、私たち人間を動かすとても強力なパワーを持っています。
これは、ドーパミンの分泌が生存や快楽に紐づいているためです。
例えば、動物である私たち人間は、自分から食べ物を探しに行動しないことには生きていけません。
「あの木を登れば美味しい果実がなっているかもしれない」と思った時に、「登ってみようか」と思わせるのはドーパミンの効果です。
実際に果実を見つけた時に「やった!嬉しい!」と、気分が高揚するのもドーパミンの効果です。
そういった、生存意欲に直結している幸福感がドーパミンなのです。
意欲を生み出し快楽を感じさせるとても強力なもので、ストレスを感じさせるコルチゾールというホルモンの分泌を防ぐ機能もありますので、ドーパミンが出ているうちは落ち込んだりしにくくなります。
仕事で成功したり昇格したり、学校のテストで高得点を取ったり、お給料をもらったり欲しかったものが手に入った時などの、嬉しい気持ちや幸福感は、まさにドーパミンによるものです。
私たち人間を突き動かすとても強力なパワーを持っているのが分かりますね。
ドーパミンを人生にうまく活用するには、自分にごほうびを設定したり、小さな成功体験を積むことが良いとされていますが、
一方で、手軽に手に入る快楽に溺れてしまうと、望ましくない「依存症」になってしまうこともあります。
お酒を飲むと楽しい気持ちになるのも、お酒を飲むとドーパミンが出るからです。
他にも、ギャンブルや薬物、買い物やスマホやゲームなども当てはまります。
ドーパミンを追い求めると幸せになれない?
幸せになるために仕事や成功、名誉を追い求めることは、ドーパミンによる快楽的幸福感を求めていることになります。
でも、ドーパミンの効果には落とし穴があります。
それは、ドーパミンには耐性がつくということです。
私たち人間は、あの感覚もう一度味わいたいと、ドーパミンによってもたらされた快楽を何度も求めてしまうのですが、
ドーパミンによる幸せというのは、同じ量では満足できなくなります。
もっともっと欲しいと、次々に求めてしまうことになります。
つまり、ドーパミン的幸福感にはきりがないんですね。
昇格し、初めて「部長」と呼ばれた日には嬉しくて気分が高揚したかもしれません。
でも、毎日呼ばれていると、慣れて何も感じなくなりますよね。
物足りなくなり、飽きてくる、とも言えるでしょう。
ドーパミンによる幸せとは何かを成し遂げるという労力が必要です。
時間や健康を対価に、お金や社会的成功を追い求めたとしても、その幸せに持続性はなく、欲望に終わりはないのですから、
まだ足りない、もっと欲しいと思えば思うほど、より多くのものを対価として犠牲にしてしまい、幸せを感じられなくなってしまうのです。
セロトニンとオキシトシンによる幸福感が、幸せのベース。
一方で、セロトニンとオキシトシンによる幸福感はそうではありません。
心地よい日の光に当たるといつでも気持ち良いと感じるでしょうし、親しい人や動物との触れ合いが心地よいと感じるのも同じでしょう。
まずは心身の健康であるセロトニンがあり、人とのつながりであるオキシトシンがあり、そういった幸福感や安定感を土台に、成功や名誉という達成感によるドーパミン的幸せを求めていくことが重要です。
ドーパミン的幸福感ばかりを先に求めてしまうと、まだ幸せではない、もっと幸せになりたいとなってしまいます。
五体満足健康な身体でいられることへの満足感、太陽の温かさを感じられる喜び、話を聞いてくれる人がいることの感謝、誰かと触れ合うことで得られる安心感、日常生活にあるそういった小さな喜びや幸せに目を向けていくことが、人生を幸せに生きるコツなのかもしれません。
そもそも、何かを達成するために頑張るためには健康な身体が資本であり、元気で前向きな人のもとには、たくさんの人が集まってきます。そうして、心が穏やかで良好な人間関係を作れたり人望がある人は、社会的成功もしやすくなるのです。
幸せって何か分からない、どうやって幸せになれば良いか分からないという方は、
まずは朝の散歩や日光浴、十分な食事と睡眠で心と身体を整えて、親しい人に連絡をとったり家族とスキンシップをしたりすることから始めてみてはいかがでしょうか。
最後に。
幸せは、いつも今ここで見つけるもの。
自分が既に持っている幸せを見つけて感謝すること。
幸せとは、何か特別な素晴らしいことが起きることではなく、日々の生活の中で小さな喜びや満足感を1つ1つ積み重ねて感じるもの。
そんな風に私が普段から思っている幸せ論を、今日は脳科学的に説明してみました。
人間の脳というのはとても複雑で研究も難しく、まだまだ分からないことがたくさんあると言われていますが、
人の心という目に見えないものを、脳の働きという新しい観点から解き明かしていこうとすることは、大変有意義で興味深いものだと思います。
今言われていることが、何年か後に研究が進んで、「実はそうではなかった!」となっている可能性が無いわけではないと思います。
それでも、本日ご紹介した内容については、知っておき、普段の生活で意識することで、
人生をより気楽に、より思いのままに生きるための、大きなヒントにはなり得るのではないかと思います。
それぞれの脳内物質やその他の重要なホルモンについては、また詳しく記事にしたいなと思っていますが、
とりあえず今日は、幸せに関する3つの重要なセロトニン、オキシトシン、ドーパミンについて簡単にご紹介しました。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
神田華子でした。