先の見えない未来が不安・・・。そんなあなたへ。不安をどう乗り越えるか。
終わらないコロナ、続く不景気と物価高、少子高齢化・・・
この先、自分や家族はどうなってしまうんだと、
未来のことを考えると不安になる一方だという方がいらっしゃるかもしれません。
そんな方へ、今私が思うことをお伝えしたいと思います。
脳には思考の癖がある。
不安というのはすべてあなたの脳内で想像していることです。
あなたの脳は、実は目の前にある事実を客観的に判断できているわけではありません。
これまでの過去の経験や見聞きした情報の記憶をもとに、目の前にある状態を解釈しています。
私たちは、究極的にはそれぞれ、自分の脳が作り出した妄想の世界に生きているとも言えるのです。
・・・と、ここまで言うと、少し大げさに聞こえるかもしれませんね。
でも、そんな風に、脳は自分の物事や過去への解釈や世界観をもとに、未来を想像しています。
その想像する未来がネガティブなものであるから、あなたは不安を感じているんですよね。
これはつまり、自分自身で描いたストーリーにおびえている状態です。
そして、そのように不安を感じる未来を一度思い描くと、何度も何度もその未来を想像してしまいますね。
不安という妄想が、暴走している状態です。
でもこれは、決してその未来に対する確実性が増しているから不安が増しているわけではなく、あなたが脳内で何度も同じように考えるように、自分でプログラミングをしてしまったような状態です。
なので、トリガーとなる出来事やキーワードが現れる度に、何度も何度も条件反射のように、その未来を考えて不安になってしまうんです。
脳というのは想像と現実の区別がつかない、そんな話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
あなたが想像する未来に対し、脳の感情を司る部分である偏桃体が興奮し、不安になってしまいます。
また、思考のプログラミングにより、何度も頭の中で思い描くことで、その思考が癖になり、更に不安になるということなのです。
なので、そのプログラミングを書き換えてあげることで、不安を感じる機会を減らすことが出来ます。
認識を変えれば感情が変わる。
では、どうやってプログラミングを書き換えることができるでしょうか。
それは、違う視点で物事を見ることで、違う未来を想像してみること。
または、違う視点で物事を見ることで、同じ未来への捉え方を変えることです。
そうして自分の認識を変えることで、自然に感情は変わってきます。
不安は減少していくのです。
そもそも先のことは誰にも分からないことを思い出す。
そもそも先のことというのは、もともと誰にも分からないものなんです。
それは今に始まったことではなく、昔からずっとそうです。
私たちの今の平和な日常が、同じように続いていくような気がするかもしれませんが、
明日交通事故にあって歩けなくなるかもしれないし、大切な人が突然死してしまうかもしれません。
地震や災害で命を落とすかもしれませんし、火事で家がなくなってしまうかもしれません。
コロナがあろうとなかろうと、景気が良かろうと悪かろうと、年間何千人何万人の人が事故で命を落としたり一生の後遺症を残したりしています。
通り魔に遭遇する可能性や自然災害の可能性も、昔からずっと存在しています。
誰にも分からない未来を想像して不安になるという状態は、自分自身の暴走した妄想でしかないので、決して終わりがないことだと自覚しましょう。
先のことはもともと誰にも分からないし、未来へのリスクは増えていない、増えていると感じているのは錯覚だ、ということを思い出しましょう。
世界と私たちは、常に変化し続けている。
未来への不安は、今の日常が同じように続かないのではという不安ですよね。
または、今よりもっと悪くなるのではという不安ですよね。
でも、そもそも変わらないものというのはないんですね。
いいことも悪いことも、一生は続きません。
絶えず変化していきます。
あなたの不安通りの結果が万が一いつか訪れたとしても、その状態はずっとは続かないんです。
長い目で見ると変化し続けている人生の中で、私たちは「今」という点を生きることしかできません。
時には、世界や周りの大きな変化の波に身を委ねることしか出来ません。
その時に自分がどう自分らしく居続けられるか、未来の自分を作っているのが今の自分なのです。
変わらないものはないという事実を受け入れることで、変化への不安を軽減することができ、
今の自分にフォーカスを取り戻すことが出来ます。
未来への不安は大切なことに気付かせてくれる。
これは私自身にとってすごく有効な考え方です。
未来を考えて不安になることは私も同じです。
先のことは誰にも分からない、その分からないものという状態が、人間は不安に感じる生き物なんです。
でも、そんな時に毎度たどり着く結論があります。
「今あるものに感謝して、大切にしたい」ということです。
未来へのネガティブな想像が強ければ強いほど、今自分が手にしている物をありがたく感じ、感謝の気持ちで胸がいっぱいになり、「今あるもの」を大切にしたいと思えます。
私自身は、未来への不安を感じることというのは、実は人生においてすごく重要なきっかけになったことが多いと感じています。
不安を感じて、その不安から今ある幸せに気付き、その心の温かさが、また前に進む力を与えてくれるのです。
不安な時には行動する、これが一番です!
不安に対する一番の処方薬は行動です。
不安な未来に対応するための行動、たとえば勉強や運動ですね。
もっとシンプルに、今不安に駆られてしょうがないという状態であれば、そのことを考えられないほど必死に身体を動かすことです。
個人的にはズンバやボディコンバットなど、必死でインストラクターの動きを真似しないとついていけないような運動をすると、その間はもちろん考え事は出来ませんし、
終わった後もかなりスッキリして、「何であんなに不安に感じてたんだろう」と、けろっとしていることが多いです。
Youtubeでもたくさん動画が上がっているので、是非ご自宅で、人目を気にせず動きまくってみてください。
歌うのが好きな人は歌を歌うことも良いですが、選曲には注意してくださいね。
「不安になったらこれ!」というような、お守りのような本や音楽が、自分の中であるとベストです。
とにかく何かしらの行動を取ることで、不安という感情に憑りつかれている自分の意識をそらすことが出来ます。
もっと不安を感じている人のことを想像する。
言い方はすごく悪いんですが、自分よりも不幸な人を見ることで安心するという心理です。
「下方比較」という方法ですが、自分よりももっと悪い状況にいる人と自分を比較することで、「自分の状況なんてまだ幸せな方だ」と感じることができます。
これは「足るを知る」という考え方にも似ていますが、自分よりもひどい状況の人のことを想像することで、「自分は十分恵まれている」と、今の自分の状態はそんなに悪くないことを再認識することができるのです。
「私よりひどい状況の人なんていない」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、この記事をインターネットを使い、スマホなりタブレットなりPCで読めているあなたは、世界ではかなり上位に入るほど恵まれています。
世の中には学校にも行けず字も読めない、スマホやインターネットにアクセスできないどころか綺麗な水や最低限の衛生環境すら与えられていない人がたくさんいます。
紛争地域で毎日のように家族や友達が目の前で亡くなっていく、毎日怯えて過ごしている人たちもいます。
私たちは日本という国で生まれ育っているだけでも相当恵まれているのです。
更に五体満足でいらっしゃるのであれば、生まれた瞬間からあなたは相当ラッキーです!
と、私はある時点からずっとこんなふうに思って生きていますが、
そこまで極端に考えられないという人は、自分より少し大変そうな人のことを想像するだけで、「自分はまだまだ何とかなるかもしれない」と、思えてくると思います。
天意があると考える。
世の中には、最終的には自分の力でどうにもならないことがあると考えましょう。
天の意思、天意です。
自分に今できることをやったら、結果は神様のみぞ知る。そういうことですね。
自分の頭の中にある不安な未来を抱きしめて空に放ち、神様に託しているという想像をしてみてください。
空に昇って神様の手に渡ったあなたのその未来。
そこは、あなたには絶対に何の手出しも出来ない領域です。
どうにもならないことがある、と思うと気が楽になることがありますよ。
結果がどうなったとしてもそれが神様の意思であれば受け入れるしかない。
自分に出来ることはすべてやったんだ。
そう思って、悪い未来を何度も想像するという呪縛を解き放ち、不安な気持ちを手放しましょう。
そして、今自分ができることに集中しましょう。
不安になってもいい。でも支配されないで!
色々と書きましたが、不安になるというのは人間として当然の感情ですし、
人間は本能的に変化を恐れる生き物です。
だからこそ、危険を回避するために努力したり、より良い結果を得るために頑張れたりするものです。
でも、不安に常に支配されている状態というのは健全ではありません。
あなたが漠然とした未来への不安を常に感じているとしたら、その不安が妥当なものかというのを考える癖をつけましょう。
論理的に冷静に考えることで、偏桃体という感情を司る脳の部分が活性化している状態から、前頭前野という理性を司る部分が活発に働くことになりますので、自然に不安はおさまります。
そうして色々な視点で物事を考えようと意識することで、あなたの認識が変わり、少しずつ不安が解消されていきます。
不安になってもいいんです。
でも、その不安にあなたの生活や行動を支配されないように、意識してみてくださいね。
最後に。
考え始めると、世の中というのは不安要素ばかりです。
未来というのは想像の余地が広すぎて、悪い方に暴走が始まると止められなくなるんですね。
でも、一生に一度しかない人生です。
私たちは誰も、望んでこの世に生まれてきたわけではありませんが、それでも必死に生きているんですよね。
同じ一生に一度の人生を送るなら、未来のことばかり心配して、今を十分に生きられないというのは、もったいなさすぎますね。
ここで、私の大好きな言葉を紹介させてください。
Yesterday is History. Tomorrow is a Mystery. Today is a Gift.
That’s why it is called “The Present”.
直訳すると、「昨日はヒストリー、明日はミステリー、今日という日は贈り物。
だから、現在はプレゼント(present)と呼ばれているのです。」という感じです。
私がこの言葉に最初に出会ったのは大学生時代、カンフーパンダという映画の中でした。
最後の一文を聞いた時に、ブワッと体中が痺れました。
過去でもなく未来でもなく「今」という贈り物を大切にしてくださいというメッセージです。
それほど、今を生きているということは貴重なことで、素晴らしいことなんですね。
誰にでも与えられているものではないんです。
そう、私たちが生きている「今」を、生きたくても生きられなかった人たちが、たくさんいるんですから。
望んで手に入れたものでは無いかもしれません、でも、確かにそれはあなたへの特別な贈り物なのです。
あなたにも是非、過去への後悔や未来への不安にとらわれずに、
目の前にある「今」というキラキラ輝くプレゼントを大切にする、そんな瞬間を1秒でも多く過ごしてほしいなと思います。
神田華子でした。