詐欺に遭ってしまって辛い!騙される人の心理と、立ち直るための方法をご紹介
国際ロマンス詐欺、投資詐欺、仮想通貨詐欺、オレオレ詐欺、結婚詐欺、フィッシング詐欺、LINE乗っ取り詐欺、美人局・・・。
古今東西、詐欺というのはなくなりませんね。
次々に出てくる新しい詐欺から、昔から長くあるもの、どんどん巧妙になっていくもの、本当に感心するほど様々です。
詐欺にひっかかってしまう被害者がいるからこそ、いつまでもビジネスとして成立してしまい、
詐欺師や詐欺集団は、どうにかして相手を騙そうかと、
社会情勢やテクノロジー、心理学の研究にも余念がありません。
今日の記事は、特定の詐欺に対する注意喚起のための記事ではありませんし、
詐欺にまつわる深い深い闇を、深掘りする記事でもありません。
また、被害届を出したり、被害を取り返したり、犯人捜しや復讐をするための、ノウハウ記事でもありません。
この記事は、詐欺に遭ってしまって、今を生きるのが苦しくて苦しくて仕方ないという方のために、
何とか少しでも気持ちを切り替えて、
これからの人生を前向きに生きていただくための方法をご紹介したくて書いています。
善意や不安感を利用され、信頼を裏切られ、騙されてしまったと分かった時の心の傷は、とても深いものです。
相手へのやり場のない怒りだけでなく、
騙された自分を責め、失望し、絶望し、
内容によっては借金を背負ってしまい、生活が一変してしまうということもあるでしょう。
今日ご紹介する方法で、すぐに心の傷が癒せるというものではありませんが、
実際に詐欺に遭われてしまった人や、未遂で済んだけど人間不信になってしまった人の心が、
少しでも軽くなるきっかけや、ヒントになれば良いなと思っています。
また、現代では誰しもが次の被害者になる可能性を秘めています。
騙される人の心理を知ることは、まだ詐欺被害を受けたことがない方にとっても有益なことだと思います。
それでは早速、見ていきましょう。
詐欺師が利用してくる「騙される人の心理」とは?
世間には様々な詐欺がありますが、詐欺被害にあう時の共通の心理というものがあります。
騙される人の心理というのは、下記にご紹介するどれか1つだけが該当するということではなく、
それぞれの要素が複雑に絡み合って、詐欺に遭ってしまったり、詐欺から抜け出せなかったりするのです。
こういった心理学を利用するのは、実際に詐欺を仕掛ける張本人だけではなく、マニュアルや台本が用意されていることも多いです。
こちらの心理を計算し尽くしたマニュアルを作成し、信頼関係の築き方の台本や仕掛けるタイミングの見抜き方まで伝授し、
詐欺師を量産しているわけですから、本当に怖いですね。
現状に対する不満や将来への不安
詐欺師はあなたの現在抱えている不満や、将来への不安につけこみます。
例えば、あなたの今年の運勢は大凶で、このままでは大切な人も財産も失うでしょうと占われ、それを信じて不安になってしまったとします。
そこで、毎日これでお祈りをすれば災いを避けることができると高価な数珠を渡されれば、
それがどんなに高額なものだったとしても、払ってしまうでしょう。
未来に起こるかもしれない不安を回避したいからです。
仮想通貨詐欺や、投資詐欺などに引っかかってしまう場合も、
現在の収入状況に不満があったり、自分自身での今後の資金調達に不安があるからこそ、
うまい儲け話につい飛びついてしまうのです。
他にも、老後の孤独を避けたい心理や、相手を失いたくないという不安から、
結婚詐欺や国際ロマンス詐欺に遭い、なかなか抜け出せなくなってしまいます。
「自分は今の生活で満足してるし、将来の不安も特にないから大丈夫!」
もしあなたが今、そんな風に思ったのなら、要注意です。
詐欺師はあなたが普段意識していない潜在的な現状への不満や将来の不安を、
時間をかけて、巧みな話術で膨らませてきます。
そして、あなたの不満や不安が十分浮き上がってきたところで、
そこからの抜け道として、美味しい餌を少しずつ見せて、落とし穴に誘導してくるのです。
彼らは、とても愛情深く素朴で、善良なふりをしているかもしれませんが、
あなたの感情や欲望が浮かび上がるその瞬間を、決して見逃しません。
損を回避したいという本能的な心理
人間というのは本能的に自分に不利益になることを嫌います。
自分が損をするということは、誰でも悔しい気持ちになりますし、避けたいものなのです。
還付金詐欺などまさに、「損をしたくない」という人間の心理を巧みに利用されています。
また、
「ここまでこんなにお金を払ってしまったし」と、
今までの損失を無駄にしたくない・取り返したいという心理から、
追加でお金を支払ってしまい被害額が増大したり、なかなか詐欺から抜け出せないということにも繋がります。
ネット販売での詐欺でも、
お得だと思って頼んだ商品が全然違うものだったというシンプルなものから、
例えば、いつまでたっても商品が届かず心配になり、
「損をしたくない」という思いから、些細な違和感に気付かずに返品専用というURLをクリックし、
クレジットカード情報を抜き取られてしまうというような詐欺もあります。
損をしたくない、それどころか可能な限り得をしたい。
とっても人間らしい心理です。
狙われています。
愛情やファン心理、善意を巧みに利用
恋は盲目と言いますよね。
相手を恋に落ちさせれば、騙すのは簡単です。
愛されているという喜びで舞い上がってしまっていると正確な判断ができず、
相手に悪い印象を与えたくないので反論もできず、
そして何より、大好きな人や尊敬や憧れの対象からの言葉というのは、多少の矛盾や違和感があっても、信じたくなってしまうものです。
また、オレオレ詐欺なども、家族を助けたい一心で騙されるという、非常に心の痛む詐欺です。
このように、大切な人を守りたい、大好きな人に会いたい、魅力的な異性と親密な関係を築きたい、
こういった心理が利用され、詐欺にあってしまいます。
更に、「困っている時に助けるのが真の友人だ」という、信念や道徳心を利用されたり、
「ここで断ると、私は人として最低なんじゃないか」などという、
善意の裏にある罪悪感や不安感を利用されるともあります。
また、こちらが困っている時に助け船を出すふりをして、善人を装った上で、最終的に騙してくるというケースもあります。
このような場合にも、
「今まであんなに良くしてくれたし」
「困っている時に助けてくれた大事な恩人だから」という、
罪悪感や返報性の心理(何かしてもらったらお返しをしなければいけないという心理)を利用されることもあります。
手軽な利得を求める心理
私たち人間は基本的には、楽なこと、手間のかからないことが大好きです。
楽して儲けたい。
努力せずに理想のパートナーが欲しい。
簡単に人から尊敬や信頼を得たい。
良い人という評価を失いたくない。
何もせずに快楽を得たい。
これらは本来、なかなか実現しえないことです。
でも、ありとあらゆる手段で、それがこんなに簡単に手に入るんだよと、説得されてしまうことがあります。
それは、私たちが「そうだったらいいな」と、心の底では望んでいるからです。
何もせずに、手間をかけずに、時間や労力を費やさずに、
自分が望んでいるモノを手に入れたり、足りないものを補えたら、いいな・・・
そんなこと、ないかもしれないけど・・・
絶対にないとは、言い切れないよね・・・?
と、ついつい自分にとって都合の良い話というのは、信じたくなってしまうのです。
究極的には、あらゆる形の「欲望」を利用されている。
このように、詐欺に利用される心理というのは、
どれも一般的に私たちみんなが持っているものであり、人間を人間たらしめる心理です。
つまり、詐欺というのは、人間が人間である限り、なくならないものでしょう。
なぜなら、私たちに様々な形の欲望があるからです。
生きるためにその欲望を満たしているというよりも、欲望を満たすために生きているようなものかもしれません。
それは、金銭的・社会的な欲望や、性的な欲望だけではなく、
愛されたいという欲望や、社会の役に立ちたいという欲望なども含みます。
目の前にいる相手の奥底に眠っている欲望を呼び起こし、巧みに利用し行動を起こさせることが出来るのが、優秀な詐欺師なのです。
人は、つじつまをあわせてしまうもの。
認知的不協和の記事でもお伝えしましたが、人は不都合な真実が目についた時、
それを都合の良いように解釈してしまうことがあります。
「本当にこれでいいのだろうか」という不安や、
後から考えると明らかにおかしい違和感がいくつもあるにもかかわらず、
現在の状態をそのままで進めるために、自分の中で無理につじつまをあわせるのです。
「こんなに私を愛してくれる人が嘘をついてるはずがない」
「ちょっと怪しいけど、あの人もこれで成功したって言ってるから間違いないだろう」
「もう何年もの付き合いだし、裏切ることなんてないだろう」
と、相手を信じることを自分に言い聞かせてしまいます。
これは、とても強力な心理作用なので、ある程度は仕方がないことなのですが、
もしもあなたが、時々感じている小さな矛盾や違和感に、都度、自分で適当な理由をつけて正当化していることに気付いたら、
そのぼんやりとした感覚を無視せずに、
「無理に、つじつまを合わせようとしてないかな?」と、一度立ち止まってよく考えることが、
詐欺被害を防ぐ上で、とても大切です。
詐欺にあった時に、どうやって気持ちを切り替える?
詐欺被害者の心の傷は大きく、金銭的な損失だけではなく精神的な負担が非常に強いものです。
信じていた人に裏切られたことで、うつ病になってしまったり、人間不信になってしまう方も少なくありません。
それほど、詐欺被害によるショックというのは強いものですが、
詐欺にあった上に、その後の残りの人生までもを、後悔と自己否定だけで過ごしてしまうのは、なんとも辛すぎますよね。
忘れることは出来ないにしても、なんとか気持ちを切り替えて、人生を前向きに捉えられるようになってほしいと思います。
ということで、ここからは実際に詐欺にあった時、または、誰かに騙されて辛い時に、
気持ちを切り替えるための方法をご紹介します。
自分の感情のままに、思う存分怒り、悲しむ。
詐欺に遭ったり、誰かに騙されるという経験は、とても辛いものです。
その辛い気持ち自体を否定する必要は、まったくありません。
相手や自分への怒りや反省など、色々な感情が心に沸き上がってきていると思います。
でも、まずは自分の辛い気持ちを1つ1つ認め、受け入れて、
そして思う存分に怒り、悲しんでください。
「詐欺に遭った自分が悪いんだから、落ち込む権利など無い」なんて、スパルタなことを思う必要はありません。
怒って当然、落ち込んで当然です。
詐欺被害というのは、一晩寝たら忘れた、というような簡単なことではないのです。
むしら、夢だったら良かったのにと、覚めない悪夢を見ているようなものでしょう。
泣きたければ、ベッドやトイレにこもって、思いっきり泣いてください。
まずは自分の中のネガティブな感情をしっかりと感じ、吐き出すことが大切です。
お腹のあたりの重い感じ、吐き気のするような気持ち悪い感じ、無気力感など、
自分が傷付いているということを、五感を使って丁寧に感じ取ってください。
自分を責めない。
自分の感情を感じる過程で、どうしても自分を責めたくなってしまうことがあると思います。
「自分はなんて馬鹿なんだ」
「あんな嘘を信じてしまった自分が悪いんだ」
などと、自分を責めたり否定したりすることは、絶対にやめてほしいです。
詐欺に遭ったり、誰かに騙されたという場合、
あなたにも何かしらの原因があったのは事実だと思いますが、
悪いのは明らかに、悪意を持ってあなたを騙してきた相手です。
あなたがあなたをそれ以上責める必要もなければ、
自分に対する否定的な言葉で自分を傷つける必要はありませんし、
そんなことは、決してしないでほしいのです。
あなたの心はもう、十分に傷付いています。
冷静になって、きちんとこの事件を振り返り、原因を見つめ、改善・対策していくことは大切ですが、
反省という名のもとに、いつまでもそのことばかり考えて、
あの時こうしていればこの時こう言っていればと、後悔や自責ばかりしているようであれば、
一旦、思考停止法で、ぐるぐる巡っている考えを止めてしまいましょう。
しっかり寝て、しっかり食べる。
詐欺に遭って落ち込んでいる時は、軽いうつ状態になっていることがあります。
頭がぼーっとして、好きなものにも興味がわかず何もしたくない。
大好きな子供やペットも可愛いと思えない。
そんな状態で、眠れない日が続くかもしれません。
でも、何日も眠れずに体力的に限界を感じているようであれば、
まずは不眠を解消する方法を最優先で考えましょう。
今後のことを考えたり原因を探ったり反省するより前に、まずしっかりと休むことです。
そして、食欲もない日が続くかもしれませんが、栄養ゼリーや雑炊、スープなどでも構いませんので、
食べられるものを探して、きちんと食事をとりましょう。
食べない、寝ない、これは厳禁です!
自分の経験をアウトプットする=信頼できる人に話す。
しっかり落ち込み、しっかり休んで少し落ち着いたら、または並行してでも、
ご自身の経験談を少しずつアウトプットしましょう。
とにかく、自分が信頼できる誰かに話すということです。
誰にも言えないようであれば、カウンセリングなどを利用してください。
とにかく誰かに聞いてもらうこと、整理して言葉で人に伝えること自体に、自分自身を癒す、大きな効果があります。
また、具体的な解決策が出ないとしても、
あなたを気にかけてくれる誰か、肯定してくれる誰かがいるというのは、
あなたの心にとって大きな支えとなり、癒しとなるはずです。
また、誰かに聞いてもらうことによってその事件を客観視しやすくなり、
自分の中で消化できたり、笑いに変えられたりして、前に進む気力が湧いてくるのです。
自分の経験をアウトプットする=ブログやSNSで発信する。
誰かに話すことにあわせて、ブログやSNSなどで発信することも大変有効です。
インターネット上で発信することで多くの方に知ってもらえますので、
注意喚起にもなり、誰かの役にも立ちますし、
SNSやコメントなどで同じような被害に遭った方と交流することで、お互いに癒されることもあるでしょう。
また、匿名性が高いので身近な人よりも赤裸々に自分の被害状況や、やるせない気持ちを表せるでしょう。
不特定多数に向けて発信する場合は、事件の経緯やその後の経過を、
事実と感情とを分けて綴るように心がけましょう。
感情を混ぜてはいけないということではないので、感情も是非、大いに盛り込んでください。
ただ、『感情がベースとなっている自分の思い込みや予測』の部分と、『実際に起きたこと』の部分は、
切り離して考え、読んだ人が区別できるように書いた方が良いでしょう。
事件を振り返って整理する、自分の問題点や利用された心理を客観的に分析し、
フィードバックするという行為として、非常に有効ですので、是非試してみてくださいね。
※アウトプット時の注意点
実在する身近な人に話す場合も、ブログやSNSなどのインターネット上で発散する場合も同様ですが、
困っている時に、助けてくれるふりをして騙してくる詐欺師もいます。
騙してくるとまでは言わないまでも、あなたを利用したり、弱みに付け込んでくる人もいるかもしれません。
詐欺被害直後は、ショックで正常な判断力が鈍っていることに加え、
なんとかして損害を取り返したい気持ちが強いので、騙しやすいカモと見られやすいのです。
二重三重のトラップにかからないよう、相談をする相手には、十分気を付けてください。
「詐欺で傷付いている人を更に騙そうとするなんて、最低!」と、
世知辛い世の中を嘆いても、状況は変わりません。
誰も、守ってくれません。
自分の身と心は自分で守るという意識を、普段から強く持ちましょう。
教訓にして、人生に活かす。
ここまで出来た頃には、もうだいぶ気持ちは落ち着いているのではないでしょうか。
このタイミングで詐欺に遭えてよかった、これだけの被害で一生勉強ができてよかったと、
この事件を、前向きに捉えるようにしましょう。
仮に詐欺によって借金が出来てしまったとしても、真摯に向き合い返済することで、
あなたは今よりもっと成長し、人生が大きく変わっているはずです。
詐欺なんかで人生狂わされてたまるかという意地やプレッシャーをバネに、
前よりも色んなことに積極的に取り組めているかもしれません。
このタイミングで詐欺に遭っていなければ、将来もっと悲惨な詐欺に遭ってしまっていたかもしれません。
人間万事・塞翁が馬です。
今の災難が必ずしも、人生トータルで見た時の災難とは限りません。
時々、騙された時のことやその時の苦しみが、フラッシュバックすることもあると思います。
でも、その度にしっかりと思い出せるような、
大きな人生の教訓を、心に強く刻み込んでほしいと思います。
詐欺に遭ったことを人生のマイナスにして、負のスパイラルにすべてを放り投げるのではなく、
自分にとって、何かしらのプラスに変えていけるようにしていただきたいなと思います。
今日の延長線上に未来があるのではなく、点と点を繋いだ先が、未来になるのです。
『今』という点をどこに刻んでいくかは、
詐欺に遭ってしまった『過去のあなた』ではなく、
今ここで考え行動している、『今のあなた』次第なんです。
時間が最強の薬。「人生捨てたもんじゃない」と思える日が必ず来ます。
時間と共に傷は癒えます。
完全になくなることはなくても、確実に薄まっていきます。
今は人を信じることが怖くても、必ずまた良い人に巡り合えるはずです。
「人生、捨てたもんじゃないな」と思える日が、いつか必ず来ます。
「あんなこともあったなぁ」と、笑い話なのか、苦い思い出なのかは分かりませんが、
必ず過去の出来事になっていきます。
まずは半年、そして1年。
明けない夜はありません。
止まない雨はありません。
先人たちが残してくれた、この力強い言葉を信じましょう。
今は、人生の流れがすべて逆流に感じて、何もかもがうまくいかないように感じても、
良い流れが戻ってくる時が必ず来ます。
上に紹介した方法を続けつつ、時間が経つのをひたすら待ちましょう。
身近な人が詐欺に遭った時はどうしたらいい?
身近で大事な人が、騙されて、傷ついて、目も当てられないくらい落ち込んでいる姿というのは、
傍で見ているだけでも辛いものですね。
でも、そんな風に思っているあなたの存在自体が、相手にとって大きな心の支えとなります。
まずは、時間をかけて相手の話を聞いてあげましょう。
不注意を責めたり、傷付いている気持ちを否定したり、過ちを指摘するのではなく、
まずはしっかりと相手の話を聞いた上で、
「それでも、あなたが無事でいてくれてよかった」
「私に話してくれてありがとう」と、
相手の存在そのものを感謝し、肯定するような言葉をかけてあげましょう。
あなたが無理なく出来る範囲のサポートをして、前向きになれるように一緒に考え、勇気づけてあげてくださいね。
「あなたが無理なく」というのは、大切なポイントです。
相手の怒りや後悔などの負の感情や、金銭面のトラブルに、
あなた自身が巻き込まれて苦しまないように、注意してくださいね。
隣で伴走し、応援してくれる存在がいるだけでも、相手にとってはとてつもない癒しと励みになるはずです。
そして、そんな温かさを与えられるあなたの人生にも、必ず良い形で返ってくるはずですよ。
最後に。
一口に詐欺に遭うといっても、詐欺の種類も様々ですし、被害の程度も、タイミングも、思い入れの強さも様々です。
世の中には良いことをしてくれる善良な人はたくさんいますが、
でも、悪い選択肢を取ってしまう人も、残念ながらたくさんいるのです。
少しだけ、私の思いをお話させてください。
私も、大なり小なり騙されたことや、詐欺に遭いかけたことがあります。
今でも思い出すと胸がチクリと痛んだり、失ったものを考えて悔しくなったり、
人間不信になりかけたこともありますが、
それでも、個人的な思いとしては今でも変わらず、
「罪を憎んで、人を憎まず」です。
悪意のある詐欺行為を繰り返している人は、心に必ず闇を抱えています。
そんな彼らの人生が幸せだとは思いません。
詐欺をしている人たちが全員、必ずしも法で裁かれるとは限りませんが、
何らかの形で必ず裁かれる、罰を受ける日が来ると、私は信じています。
それは、小説『罪と罰』のように、罪悪感という自分の心の中での裁きであったり、または天罰のようなものかもしれません。
どういう形かは分かりませんが、本当の意味で人を裁くのは、人ではないと、私は思っています。
人を騙して利益を得るという詐欺師たちの行為は決して許されることでも、肯定されるべきことでもありませんが、
必ず何らかの裁きがあると思いますし、そして、同時に、彼らにも救いがあってほしいとも思っています。
救いというのは、自分の過ちや罪の大きさに気付き、これまで傷付けたり搾取してきた人達に思いを馳せ後悔し、自分の善良な部分を取り戻す、というような意味合いです。
もしかしたら、こんな考えは偽善だと思われるかもしれませんね。
あなたに同じように考えて欲しいとは言いません。
でも、私は本当に心からそう思っているんですね。
そして、そう思うことで救われているのは、実は私たち自身なんです。
詐欺師を恨み、憎しみ、呪うことで、あなたが手に入れられるのは、
増幅された負の感情だけです。
あなたを騙した人への裁きというのは、どう頑張っても私たちの手の中にはない権利なのです。
そんな、あなたを苦しめ続けるだけの感情は、可能であれば、少しずつ手放してほしいなと思います。
騙されたお金や時間は返ってきませんし、傷が完全に消えることはないかもしれませんが、その傷は必ず癒えていきます。
それを信じて、乗り越えていって欲しいと思います。
乗り越えた結果として、この経験があなたの人生にとっての大きな糧になるはずです。
自然の摂理の中で、欲望にまみれ、傷付け傷付けられて、ボロボロになっても、
心の底では、人を頼りたい、信じたい、愛し、愛されたいと、
がむしゃらに生きていく私たち人間という存在は、
今日も、やっぱり愛しいですね。
あなたにも、そんな風に思える日が来ますように。
あなたがこれから刻む点が、あなたをもっと素敵な未来に連れて行ってくれますように。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
神田華子でした。