自分より他人を優先してしまうあなたへ。どうしたら自分を大切に出来るの?
ついつい自分より他人を優先してしまう方っていますよね。
私も昔はそういうところが強かったので、お気持ちはよく分かります。
相手の頼みを断る方がエネルギーを使うので、嫌なことでも受け入れた方が楽なんですよね。
自分のせいで誰かが嫌な思いをすることにも、耐えられませんよね。
そんなあなたの優しさに助けられてきた方はたくさんいると思います。
でも、もしかしたら、そんなあなたの優しさにつけこみ、都合よく利用してきた方も、中にはいたかもしれませんね。
そして、そんなことに気付いて内面にふつふつと怒りを溜め込んでいたり、
自分ばかり我慢して大変な目にあい限界を感じていたり、
他人を優先することで自分が苦しんでいるのであれば、
どうしたらそれを解消していけるか、一緒に考えてみませんか。
自分を優先するためにできること。
「自分を優先しましょう、自分を大切にしましょう」と、口で言うのは簡単です。
でも、分かっていてもなかなか出来ないから悩んでいる、という方がほとんどなのではと思います。
今までやってこなかったことを、いきなりやろうと思っても、すぐにはうまくいかないものです。
ステップ・バイ・ステップで、どうしたら良いか見ていきましょう。
①自分にとって1番大切にしたい人のために自分を大切にする、という意識をもつ。
自分のために自分を優先するというのは、なかなか出来ないかもしれません。
でも、大切な人を大切にするためには、まずは自分を大切にする必要がある、ということをしっかりと理解しましょう。
人生では、時間も体力も気力も有限ですから、常に他人を同じように優先していたら
自分のことや、本当に大切にしたい人、自分を大切にしてくれる人を大切にする余裕がなくなってしまいます。
悩ましいのは、あなたを大切にしてくれる人ではなく、むしろ、
あなたのことなんか気にかけていない人のために自分を犠牲にしていることが多いことです。
そういう人は、あなたの気持ちや都合はお構いなしに、
自分の利得のために、圧をかけたりそれらしい理由をこじつけて、あなたの優しさにつけこもうとしてきます。
そういう人ほど断りにくい雰囲気を出してきますし、自分が優先されないことに怒りをあらわにしたり、あなたに罪悪感を感じさせるようなことを言ったりしますが、
そんな人に嫌われたとして、あなたの人生にとってどれほどの損失になるだろうかと、一旦引いて考えることが重要です。
繰り返しますが、人生のリソースはすべて有限です。
なるべく自分にとって心地よい時間や人間関係で、人生を満たしていきたいですよね。
そのためには、自己中心的であなたの話を聞いてくれない人、あなたの都合や気持ちはまったく考慮してくれない人とは、うまく距離を置く勇気も大切なのです。
そうすることで、あなたが一番優先して大切にしたい人や、
本当にあなたのことを理解しようとしてくれて大切にしようと努力してくれる人を、
大切にすることができる余力が生まれます。
②どんな時に人を優先してしまうか書き出す。
自分を見つめ直そうと思った時に、とにかく書き出すということは非常に有効です。
頭の中だけで考えていることは、自分で思っている以上にスルスルと記憶から抜け落ちていってしまいますが、
紙に書くことで、自分の思考をピン付け出来るようになるので、本当におすすめです。
自分が、どんな時に他人を優先してしまうのかをリスト化してみましょう。
そして、その時の自分の気持ちも書き出しましょう。
自分よりも他人を優先することにはメリットとデメリットがあります。
例えば、感謝をされて気持ちがいい、優しいと評価をされる、誰かに頼りにされることで自分の価値を感じられる、などです。
そんな風に思った時は、そのようなポジティブな気持ちも一緒に書き出しましょう。
そしてデメリットとしては、疲れてしまう、イライラして不満がたまってしまう、自分の責任ではないことまで気になってしまう、などがあります。
実際に、いつも他人を優先して自分を犠牲にすることに慣れ過ぎてしまうと、
自分の本当の気持ちが分からなくなり、自分の判断に責任を持つことが怖くなり、
自分を優先したら相手から嫌われてしまうのではと自信をなくし、不安が強くなっていきます。
そういったネガティブな気持ちも、素直に書き出してみましょう。
相手を優先することでポジティブな気持ちになっている場面とネガティブな気持ちになっている場面を、まずは自分でしっかりと把握するのです。
そして、その違いは何なのか?相手なのか、内容なのか、自分の状態なのか、分析してみましょう。
そして、ネガティブな気持ちになっている場面を、意識して減らしていくようにするのです。
③毎回断れなくても良いと開き直る。
今まで常に周りを優先してきた人がいきなり、
「今日から100%自分の気持ちに正直に、他人ではなく自分を優先します!」と変わるのは、なかなか難しいものです。
自分の心の声をきちんと聞いて自分を優先することが、少しづつ増えていけば良いのです。
自分と他人と間にある線を、押したり引いたりして、相手とのちょうど良いバランスを見つけていく実験だと思ってみましょう。
相手だって、少し押してみて、押せると分かったらどんどん押してきているんです。
これまでは、自分が不快に思っていたとしても、押された分だけすべて受け入れてきたかもしれませんが、
時々押し返したりして、バランスを取ることが大切です。
全戦全勝である必要はありません。
ここぞという時に逃げてしまうことがあって落ち込んでも、大丈夫です。
あなたがそこにいる限り、いつだって、何回だってチャンスはあるんですから。
今までゼロだったものが、1回言えた、また言えた、と、少しづつでも改善していけば、それは大きな進歩です。
「頑張ったな!」と、自分で自分の肩をポンポンと叩いてあげましょう!
この動作は、アメリカでは自分で自分を褒める動作として、学校などで教えられるそうです。
やってみると、本当に誰かに労ってもらったような気分になって誇らしい気持ちになるので、
騙されたと思って、是非試してみてくださいね!
④自己主張の練習をする。
何事にも練習が必要です。
自己主張も、これまでしてきた経験があまりないのであれば、まずは練習しましょう。
あなたの言うことを否定せずに話を聞いてくれそうな人に、自分の気持ちや、やりたいことを言ってみるのです。
練習を始める際には、相手をよく選ぶことが大切です。
RPGでも、いきなりボスは出てきません。最初はスライムから、が定番です。(分かるかな・・・)
練習をすれば必ず上達するし、「私にできるわけない」と思っていることも、出来るようになります。
自分の気持ちを表現する方法については、こちらの記事でもご紹介していますので、是非読んでみてくださいね。
→ 言いたいことを口に出そうとすると、自然と涙が出てきてしまうあなたへ。
自分のために自分を大切にするとは?
宗教心のある方、例えば絶対的な神様という存在がある一神教の世界では、
神様から与えられた命であり身体であると、自分を大切にする理由を見つけやすいと思います。
でも、私たち日本人は特定の宗教や唯一無二の神様という存在を信じている人は少なく、
自分で自分に価値を見い出せない、自分を大切にする理由が見つからない、という人もいるかもしれません。
でも、シンプルにこう考えてみてください。
自分を大切にしなければいけない理由というのは見つからないかもしれませんが、
私たちが生きているのは自分の人生なのですから、他人よりも自分を大切にしない理由はないのだと。
私たちは自分の意思でこの世に生まれてきたわけではありません。
誰しもが、気付いたらこの世に存在していたという状態のはずです。
自分から立候補したわけでも、誰かから頼まれたわけでもないのに、
いつの間にか自分の人生という壮大なドラマの主役に抜擢され、そして翻弄されています。
脇役でいいんですという声は聞き入れてもらえず、
主役という大役を、一生懸命こなそうと足掻いています。
それって十分すごいことだと思いませんか?
私は本当にそう思います。
知らず知らずに生まれてきて、いつの間にか勝手に社会という仕組みに組み込まれ、強制的に競争社会に巻き込まれてきたのに、
その中でも、少しでも楽しく笑って過ごしたいと、幸せを感じながら生きたいと思って毎日を必死に生きていること自体が、
本当に健気で素晴らしいことだなと、私は自分でいつも思っています。(笑)
自分を犠牲にしてでも他人を優先する、そんな生き方はとても尊いのかもしれませんし、
それが美徳であり、そうあるべきだと教わってきたのかもしれません。
でも、「自分の人生」という視点で見た時に、そうやって悔しさや苦しみの中で時間を費やしていくのは、勿体なさすぎます。
相手の人生にとってはいつまでたっても脇役でしかないあなたがどんなに苦しんでも、
その人の人生の中で、あなたにスポットライトが当たることはありません。
そして、あなたの人生において、その相手がステージの中心に来ているような気になることがあるかもしれませんが、
その人は、あなたにとって良い人でも悪い人でも、あなたのステージに居続けてくれる人ではありません。
全ての人が去った時、ステージに残ってそのドラマを最後まで続けなければいけないのはあなた1人です。
その時に何が残されるか、考えてみてください。
苦しんだ結果、相手からの一時的な賞賛や感謝の気持ちの他に、得たものがあったのでしょうか?
これまでのどんな生活環境があなたの人生にどれだけ影響していたとしても、
今、あなたの人生のハンドルを握っているのはあなたです。
他人の気を害さずに生きた方が楽だからと、我慢に我慢を重ねることは、
自分を大切にしていることにはなりません。
何のために生まれてきたかの理由も分からないまま、辛いことや苦しいことが多くても生きている。
どんな気持ちでも、とりあえず、生き続けている。
それだけで、本当にすごいことなんです。
そんなふうに今日も頑張っている自分を、自分自身が大切にしてあげない理由がどこにあるんですか?
と、私は声を大にして言いたいですね。
自分の人生ですから、自分のために生きていいんです。
自分勝手でいいんです。
わがままだと言われたって、いいじゃないですか。
だって、自分の人生なんですよ。
自分が幸せだと思えることを優先し、追求して、良いんじゃないですか。
自分を大切にしてから、はじめて他人を大切にできる。
使い古された言葉かもしれませんが、誰かを大切にしたいと思った時に、
まずは自分を大切にしないといけません。
自分で自分を大切にして初めて、他人を大切にすることが出来ます。
他人ばかり優先してすり減っていたら、
本当に誰かを大切にしたいと思った時に、それがうまく出来ないんです。
まずは自分をしっかりと満たしてから、周りに分け与えましょう。
あなたの分まで自分を満たそうとしてくる他人に、しっかりとNOと言える勇気を持って欲しいなと思います。
自分も相手も尊重しつつノーという方法については、
アサーションについて紹介した下記の記事でまとめていますのでご参考ください。
→ 言いたいことを言えないあなたへ。アサーションを学んでみよう!
善意と知識は出し惜しみしなくていい!
自分勝手で良いといいましたが、人のために自分を犠牲にして、結果として自分が満たされることも多いです。
でも、それは自分に余裕があってこそです。
相手を優先することで、自分がポジティブな気持ちになれる相手であればそうすれば良い。
でも、それは「いつも」でなくて構いません。
自分の余裕があるときだけでいいんです。
自分の気持ちを見つめ直した時に、見返りを求めずに相手を優先することが心から自分の喜びになるのであれば、そうすれば良いと思います。
善意と知識は、どれだけ出しても分けても減りません。
むしろ増えて戻ってくることもあります。
出し惜しみせず、自分が持っている善意や知識は、どんどん必要な人に分け与えましょう。
これは私のモットーでもあります。
最後に。
自分よりも他人を優先してしまうと悩んでいる方でも、そうすることによるメリットもあるので、なかなか手放せないものです。
まずはしっかりと自分の内面と向き合い、自分の怒りや苦しみ、悔しさを素直に感じましょう。
そして、全員から好かれる必要はないし、そんなことは不可能であると心の中で唱えましょう。
他人からの評価でなく、自分がどれだけ楽に生きられているかに、もっと注目しましょう。
私の場合は、人から好かれたいという気持ちを手放すことで、自分を優先することができました。
あなたには別の気持ちがあるかもしれません。
まずは書き出して、自分の現状を把握しましょうね。
優しいからこその悩みです。
あなたがしっかりと満たされた後に、改めて、他人のために何かをすることの喜びを、
また心から感じられるようになれば良いなと思います。
明日のあなたが、今日よりもっと自分を大切に出来ていますように。
今日もここまで読んでくださりありがとうございました。
神田華子でした。