人を見下す人の心理と対策方法7つ。
人を見下す発言をしたりマウントを取ってくる人、あなたの周りにもいませんか。
なぜそんなことをするのでしょう。
今日は、人を見下してくる人の心理と、そんな人に遭遇してしまった場合の対策方法をご紹介します。
また、もしもあなた自身が知らず知らずのうちにそうなっているかも、と自覚がある場合は、
周りの人からうんざりされたり、相手が離れていってしまう前に、「どうして自分はこういう言い方をしてしまうんだろう」と、考えてみてください。
そうすると少しずつ、無意識で取っている自分のコミュニケーションの癖に意識がいくはずですので、改善しやすくなってきます。
何事も、まずは自分を知ること、意識することから始まります。
人を見下す人の心理①自己肯定感が低い。
まず考えられるのは、自己肯定感が低い、自信がない、ということです。
自己肯定感というのは、「自分はすごくできる!」という自信に溢れていることではなく、
「ありのままの自分でいい」と、自分で等身大の自分に存在価値を認めてあげられることです。
この自己肯定感が低いがゆえに、他人と比較することによって自分の価値を示したり、優越感に浸ったり、快感を得ようとしているのです。
そういうタイプは他者軽視感が強く、何にでも優劣をつけようとしたり、揚げ足を取るのが好きだったり、とにかく相手の悪いところに注目しがちです。
心理学では、相手を下げることで自分を上げようとする、相手を見下すことで自分の方が上だと示そうとする心理を、「引き下げの心理」と呼んでいます。
そうすることで自分が感じている劣等感やコンプレックスを消そうとしているんですね。
人を見下す人の心理②嫉妬している。
①に関連するものですが、相手が自分より優れている面がある、または、自分に持っていないものや、比べようがないものを持っている場合に、
自己肯定感が低いと、羨ましい、という嫉妬の気持ちが芽生えます。
それでも、相手より優位でいたいという気持ちが強いと、相手を見下すような発言になります。
プライドが高く、あらゆる面で、常に相手よりも自分が上であることを示したいのです。
本当は、金子みすゞさんの詩にあるように、「みんな違って みんないい」と認めあえて補え合える関係であればそれでいいはずなのですが、
こういう人は、自己肯定感が低いことが嫉妬につながり、相手より自分が上だと思いたいプライドの高さから、マウントを取ってしまうんですね。
また、自分が挑戦できないことを相手が挑戦している場合も、それができる環境や勇気が羨ましくて、あなたをひきずりおろそうとしてきます。
人を見下す人の心理③自己愛が強い。
逆に、自分に絶対的な自信があり、自分が常に正しいと思っている人も、相手を見下すようなことをしてしまいます。
自分のことを過剰評価しているし、自分のことをすごいと思っているので、相手が自分よりも優れているということは認められないんですね。
褒めてもらっておだててもらうことが大好きで、自分は人よりも優れていると優越感を感じられることで安心できるのです。
人を見下す人の心理④同じような目にあっている。
自分より上の立場の人からいつも見下されて、屈辱的な思いや自己肯定感の下がる経験をしている人は、
自分よりも立場の低い人や見下せそうな人を見つけては、ここぞとばかりに同じように見下して、ストレス発散しています。
彼らも彼らで大変な思いをしている、ということですね。
こういうタイプも、結局のところは心の中でコンプレックスや劣等感を感じていたり、
本来ならば悔しさや怒りを向ける相手に向けられないという弱さから、
自分よりも弱い立場の人を見つけてマウントを取って快感を得ようとしています。
これを読んでいるあなたは、人から見下されて嫌な気持ちになったのであれば、同じようなことを違う人にやり返すのではなく、是非、反面教師にしてくださいね。
人を見下す人の心理⑤育ってきた家庭の影響。
親や周りの環境によって、人を見下した発言やコミュニケーションが当たり前になっている場合があります。
相手を馬鹿にしたり欠点をいじることがコミュニケーション方法になっている状態ですね。
この場合、悪気はなく本当にそれが普通だと思っています。
また、過剰に褒められて甘やかされて育ったり、小さい頃から他人と比較ばかりされていたり、逆に、過度に厳しい家庭で褒められる経験のなかった場合、などが
上記①~③の心理的な原因になっている可能性もあります。
もちろん人間の心理というのは複雑ですので、一言で説明できたり、何か1つのことが原因になっているということはありえませんが、
自分や相手にとってある言動の裏にある心理には色々な可能性がある、
ということを知っているだけでも、視野が広がり想像力が高まりますので、意識しておいてくださいね。
そういう人に遭遇した時の対策方法を7案ご紹介します。
まず大前提として、人を見下すようなことを言う人に対しては、あなたが悪い訳では無いということを忘れないでくださいね。
そういう人は、どんな人のことも見下すんです。
常に見くだせそうな人や、攻撃できそうなアラを探しているんです。
本当に尊敬に値する人は他人を見下したりマウントは取りに来ません。
あなたを見下している彼らが、人間として上な訳では決して無いのです。
決して、見下されたりマウントを取られたという理由だけで、過度に自信を無くしたりしないでくださいね。
日本では、お客様は神様だという謎の顧客上位神話が蔓延していますので、お店の人を見下したり威張る人などもいるかもしれません。
ここでしか威張れないんだな、自分に自信がないから、マウントを取ることでしか自己肯定感を保つことができないなだんと、
決して真に受けず、聞き流して、無視してください。
そのうえで、無視も出来ない、継続したコミュニケーションを取る必要がある場合の具体的な対処法を7つ、ご紹介します。
対策方法①適度に認めてあげる。
相手が言ったことを肯定し、相手を褒めることで、相手のかまってほしい、認めて欲しいという欲を満たしてあげましょう。
そんなことはないと、むきになって対抗したり、相手の粗をつつき返したりしても、もっとヒートアップするだけです。
適度に認めてあげて、良い気分で立ち去ってもらいましょう。
例:お前ほんと頭悪すぎない?こんな簡単なことも出来ないの?
→ほんと、こういうの苦手なんですよね。先輩はこんな細かいことまで、器用にこなせてすごいですよね!尊敬してます!
ただ、適当におだてて良い気分にさせ過ぎると、毎度、優越感に浸るためにあなたのところに来て、はけ口にされてしまうかもしれませんので、
そういう場合は対処法を以下のように変えるようにしてください。
対策方法②相手の差し出してきた土俵から降りる。
相手が優越感に浸りたい土俵からその場でそっと降りることで、相手も手ごたえがないことを感じ、その会話を続けない可能性が高いです。
例:XX知らないの?こんなの普通は誰でも知ってるでしょ。
→あんまり興味ないんだよね。
例:XX大学出身なの?聞いたことないとこだね。
→田舎出身だから大学のブランド感がピンと来てなくて、単にのどかなところがいいなって思ってたんですよね~。
例:あなたの能力だとそんなの無理だよ。絶対失敗するから、やめた方がいいよ。
→能力が足りてるかとか結果じゃなくて、自分が挑戦してみたいんだよね。経験もしてみたいし、成功っていう一本道だけじゃなくて、色んな可能性のシミュレーションもしてるんだ。
対策方法③近寄らない、適当に逃げる。
ひたすら近づかない、目をあわせない、会話をしないことです。
物理的に近寄らないことが難しい場合もあるかもしれませんが、その場合でも可能な限り、ひたすら逃げましょう。
あなたを尊重してこない人を、立場や役職が上だという理由だけで、こちらが過度に尊重する必要はありません。
適当にスルーして逃げてしまえば良いのです。
とはいえ角を立てる必要もないので、相手からマウントを取られ始めたと感じたら、失礼にならない程度の適当な相槌を打ったり聞き流した上で、その場から立ち去りましょう。
例:お前ほんと頭悪すぎない?こんな簡単なことも出来ないの?
→はぁ・・・。あ、すみません。ちょっとトイレ行ってきます。さっきから我慢してて。
対策方法④そういう人だと諦める。
他人は変えられないという原則に立ち返りましょう。
そういう風に何十年も生きてきた人です。
そう簡単には変わらないでしょう。
対策方法⑤嫌な時ははっきり嫌だと伝える。
これは特に家族や親しい友人関係など、近い関係性の相手であれば、自分が嫌だと感じている気持ちは伝えることも重要です。
言わないと分からない、ということはあります。
あなたがマウントだと感じているだけではないか、本当に相手は自分を見下したくてそういうことを言っているのか、というのは、まずは一旦考える必要はあります。
相手に悪意がない時や、単なる冗談の場合、いじっているつもりであなたも面白がっていると勘違いしていることも十分にありえます。
これまでその人が関わってきた人達がどういうタイプか、どういう文化でどういう環境だったかということで、感じ方というのは大きく違いますので、
まずは一度伝えてみる価値はあります。
相手との関係性や自分のキャラ次第で、ユーモアを交えて伝えたり、冗談っぽく伝えてみても、真剣に伝えても大丈夫です。
でも、その時にも、基本的には相手は変えられないという原則は忘れずに、決して相手を変えるためではなく、自分の気持ちを相手に知ってもらう目的だということを忘れないでください。
あなたの不快な気持ちを伝えた上で、相手が更に攻撃的な発言を続けてくるのであれば、相手がそういう人間であると分かったことが大きな収穫です。
今後の付き合い方を慎重に考えるためにも、まずは勇気を出して伝えてみましょう。
注意点は、「あなたがどう感じたか」を伝えるだけで、相手を責めたり貶めるようなことは言わない、ということです。
例:え、まだその仕作業してるの?仕事遅すぎない?俺とっくに終わったけど。
→うわ、めっちゃ上からやん。そんなん言われたら気分悪いわ。そんなんわざわざ言いに来る暇あったら、ちょっと手伝ってよ!
例:あんたご飯がっつき過ぎでしょ。恥ずかしいわ。そんなんだから彼氏できないのよ。
→アドバイスはありがたいんだけど、そういう言い方されるの傷つくからやめてくれる?そういうこと言われると、正直、私も嫌な気持ちになるし、あなたも恥ずかしいなら、もう別々で食べようか。
対策方法⑥利用できるなら利用する。
相手に言われたことに対して、自分にも改善点や反省点がないか、という視点で考えてみることも重要です。
人間というのは、本当のことを言われると余計に傷付くという側面があります。
気にしていることを指摘されるとショックだし、図星だから余計にムキになる、ということです。
もしも言われたことが本当のことで、それを自分で分かっている上で、自分がそれで良いと受け入れられているなら、相手から何を言われてもそんなに傷付く必要は無いのです。
もしも言われたことが本当のことで、それを自分で分かっている上で、自分でも嫌だなと思っている部分であれば、自分で改善して成長する糧にすれば良いのです。
見返してやろうという悔しい気持ちは時にすごいエネルギーを生むものです。
自分がもっともっとバージョンアップする方向に向けることが出来れば、そう割り切って利用すれば良いのです。
対策方法⑦ひたすら愛でる。
露骨にマウントを取ってこない人でも、心の中では他人を見下していたり、裏で見下して馬鹿にしている人もいます。
そう考えると、露骨に目の前でマウントを取ってくるかまってちゃんな人の方が、まだ可愛げがあると考えることは出来ないでしょうか。
そう、彼・彼女らは愛でるべき愛しい存在だと考えるのです。
「こいつってば、そんなに褒めて欲しいのか!可愛いやつだな!今日もなところで大変な目にあって、頑張ってきたんだな!よしよし分かった!褒めてやろう!認めてやろう!」
「よっぽどこの話が自慢なんだな~嬉しかったんだろうな~。何回でもすごいって言ってほしいんだな~。お母さんに褒めてもらいたい子供みたい。言葉は悪くて嫌な感じするけど、なんて素直な人なんだろう。」
「この人は肩書でしか勝負できないのか。それ以外に自分に自信が持てることがないのか。そんなのかわいそすぎる!!!」
そんな風に、ひたすら心の中で相手を愛でて、慈しみ、包み込んであげましょう。
例:専業主婦って楽でいいよな~。1日何もしてないだろ?俺なんて朝から仕事でほんと疲れてるのにさ~。
→ほんっとそうなのよ。自分のペースで好きなこと出来て最高よ。頼りがいのある夫がいるってこんなに幸せなことなのね。あなたは今日も大変だったのね。いつも家族のためにお仕事頑張ってくれて、本当にありがとうね♡
最後に。
相手を見下した偉そうな言動や他者を軽視した発言には、ついついイラっときたり嫌な気持ちになってしまうものです。
自分の不快な感情を受け入れた上で、その心理をあれこれ想像できると、違う視点で考えることが出来て、少しは気持ちが楽になるのではないでしょうか。
理由がどうであれ、そういうことを言ってくるというのは、相手の気持ちを考えられない、相手の苦労を想像できない、自分本位な人なんだなと、ある程度あきらめて対応するのが賢明です。
反面教師にして、決して心をすり減らされないように気を付けましょう。
マウンティングに気付かない、傷付かない、上手にスルー出来るようになると、不思議とそんな人はあまり寄ってこなくなります。
また、普段から、あなたの「マウンティング」センサーが敏感になれば、そういう人にはなるべく近寄らないという予防策を取ることが出来ます。
そうやっていくことで、あなたの人間関係が、今よりもっと自由で楽しいものに変わっていくはずですよ。
神田華子でした。