カウンセリングって何?心理カウンセラーって何をするの?私に必要?

「カウンセリングって、ちょっと病んでる人が行くんでしょ?」

こんな風に思っている人が、日本ではまだまだ多いのではないでしょうか。

「ちょっと最近ストレスが溜まって怒りっぽくなってるから、カウンセリングに行こう。」

「最近彼と喧嘩してすごくイライラしてるから、カウンセラーの先生に連絡してみよう。」

「すごく不安で、一人で考えていると辛いから、カウンセリングを予約しよう。」

こういった発想は、まだそんなに一般的ではないと思います。

やはり、心の不調が発覚した人が、治療と並行して行う、というケースが多いと思います。

でも、カウンセリングは本来は、必ずしも病気になってから行くものではありません。

上に書いたように気軽な感覚で、ちょっとした悩みでも相談して、話を聞いてもらうことで、心の調子を整えるためにあるべきだと思っています。

今日は、カウンセラーとはどういう存在か、について、少しお話させてくださいね。

心理カウンセラーって何するの?

心理カウンセラーというのは、「ちょっと辛いな」「誰かに話を聞いてほしいな」というときに、あなたの話をしっかり聞いて、寄り添いながら、時には考え方を導いたり、問題の解決を一緒に模索する。そんな存在です。

決して具体的な解決方法を提案したり、明確な指示や指導をしてくれる存在ではありません。

カウンセリングを通じて相談者の方が、自分の中でがんじがらめになった思考を解きほぐし、整理をし、自分を見つめ直すためのサポートをする。

そうした作業を通じて、相談者の方が自発的に、気付いていなかった自分の新たな一面や、抑え込んでいた感情等に気付き、自己理解を深めることで、

これまで苦しんできた実生活での問題や悩みに、新たな視点で対峙することができ、自分の力で問題を解決したり、状況を改善していけるように導いていくことが、カウンセリングの目的であり、カウンセラーの役割なのです。

お医者さんではないので、お薬の処方や医療行為は行いませんが、心理学や脳科学、カウンセリングの知識で、アドバイスを行ったり提案を行います。

私には必要ない、だって病気じゃないもん・・・

カウンセリングとは、病気になってから行くのではなく、その手前で行っていただくのが理想です。

一人で抱え込み、悩み苦しむ時間が長ければ長いほど、限界に近ければ近いほど、回復にかかる時間も長くなってしまいます。

「心の病気にかかってしまったから、カウンセリングを受ける」のではなく、「心の病気にかからないように、精神状態を健康に保つために、カウンセリングを受ける」という認識に、変えてほしいのです。

心の病、メンタルの不調は、どんな方にも起こる可能性があるものです。

頑張り屋さんで我慢強い人、責任感が強く優しい人ほど、限界ギリギリまで自分を追い込んでしまいます。

多くの人が、気付かないうちにどんどんストレスを溜め込んで、メンタルの不調だと気付いた頃には、相当進行している状態なのです。

そうなる前にメンタルケアをする、自分の心をメンテナンスする。

そういう予防の手段として、カウンセリングというのはあるべきものなのです。決して、特別なことではありません。

もちろん、すでに医療機関で精神疾患と診断された方が、治療と並行して専門家のカウンセリングを受けていただくことも、とても重要で有効です。

お薬で症状を抑えながら、カウンセリングで自分を苦しめている行動や思考の癖を変えていくことで、少しずつ減薬したり完治を早めたりすることが出来ます。

また、悩みが解消されたり回復された方が、継続して自分をモニタリングしたり、再発を防止するために、定期的にカウンセリングを受けるということも良いと思います。

心の調子を整えるために話を聞く相談役として、カウンセラーを捉えていただければなと思います。

なぜ、心理カウンセラーなの?

周りに、頼りになる家族や友達や先生がいて、いつでも話を聞いてもらえる環境にある方、どんな話でもいつでも遠慮なく相談ができる信頼関係が築けている良い理解者が近くにいる方は、とても恵まれていますが、

大人になればなるほど、そういった対象を見つけること、お互いの時間を確保することが難しくなっていると感じませんか。

仮に、運よくそんな相談相手がいたとしても、「相手も忙しいのに、いつも私の話ばかり聞いてもらって悪いな・・・。」と申し訳なく感じてしまったり、

「こんな話は、知り合いには誰にも言えないよ・・・」と、そういう悩みもあるでしょう。

また、相手もプロではないので、相手に余裕がなければ、悩みをゆっくり聞いてもらうことが難しいことがあるかもしれません。

そして、そもそもそんな相手が身近にいない、という方も多いのではないでしょうか。

だから、プロのカウンセラーが存在しているのです。

カウンセラーとは、予約をしておけば基本的にはその時間になれば話を聞いてもらえますし、守秘義務がありますので、知り合いに悩みがバレることもありません。

最近では、オンラインカウンセリングや電話・メール・LINEでのカウンセリングもありますので、ご自身が一番心地よいと感じるスタイルのカウンセリングが見つかると思います。

自分の心の弱い部分をさらけ出すということは、とても勇気がいることだと思いますが、

プロが相手であれば、少しは気軽に、より深い話が出来るのではないでしょうか。

更に、カウンセラーは心理学や脳科学等の知識を持っているので、新たな視点や気付きに出会える可能性は、より高いと言えるでしょう。

心を整えるために、勇気を出してカウンセリングを利用しよう。

心、精神、メンタル、こういったワードは時にネガティブに捉えられがちですが、

実際には誰もが身近に抱えている問題です。

こんなに生きにくい世の中で、私たちはみんな、必死に与えられた正を生きる、か弱い人間なのです。

心の病気、精神疾患、メンタル不調は、誰にでも起こりうることなのです。

でも、目に見えないものなので、他の誰にも分かりません。

自分自身で、常に自分の心の状態を意識し、不調を感じたらきちんとケアをする、自分の心をメンテナンスするということは、とても重要なことですし、そうした意識が、日本でももっと当たり前になれば良いなと思っています。

とはいえ、ほとんどの場合で保険は適用されませんし、無料で受けられるものではありませんから、そんなに気軽には受けられない、そう感じる人も多いかもしれません。

でも、身体の不調と同じように心の不調は、そのまま放置して進行すると大きな問題になります。

「うつ病は心の風邪」という表現を聞いたことがあるかもしれませんが、風邪とは違い、我慢して放っておけば治るというものでは必ずしもありません。(十分な休養が必要ということに関しては同じですが。)

疲れたらマッサージに行ったり、気分転換に趣味にお金を費やしたり、旅行に行ったりしますよね。

それと、同じように、疲れた時の選択肢の1つとして、カウンセリングを考えてみてはいかがでしょうか。

カウンセリングが一般的な国もある。

カウンセリング大国といえばアメリカです。

アメリカ人は陽気なイメージがあるかもしれませんが、割とすぐに落ち込みます。天気が悪いと暗くなったり、冬になると鬱になる人もいます。

少しでもストレスを感じたり落ち込んだり、自分の感情をコントロールできない時は、すぐカウンセリングに通います。

学校でも職場でも家庭でも、すぐにカウンセリングを勧められます。

カウンセリングの敷居が低く、日常生活に当たり前にあるサービスといえますね。

職場でのストレス、失恋、恋人との関係性の悪化、夫婦喧嘩、子育てなど、ごく小さな悩みでも、身近な相談相手として、カウンセラーに話を聞いてもらうということが当たり前という文化なのです。

日本はまだまだそんなレベルにはなっていませんが、それでも最近は、少しずつ一般的になりつつあるのではないでしょうか。

学校や企業で気軽にカウンセリングが利用できるようになってきていますね。

「病む前に喋る!」そんな風に、カウンセリングを受けることがネガティブなことではなく普通な社会になってほしいなと思っていますが、

そんな社会の変化を待つ前に、今日、偶然この記事を目にしたあなたは、まずは率先して自分の心のケア、始めてみてくださいね。

相性の良いカウンセラーを見つけよう。

カウンセラーも人間ですから、相談者さんとカウンセラーにも、当然、相性があります。

カウンセラーは基本的には皆、傾聴等の知識も持っていますしカウンセリングの勉強もしていますが、言葉遣いや喋り方、醸し出す雰囲気というのは、どうしても個人差が出るものです。

落ち着いた穏やかな雰囲気で癒しを感じられる人、陽気なキャラクターで明るく楽しく導いてくれる人、冷静に簡潔に知識に基づいた合理的な話し方をする人。

どんな人と話をして心地よいと感じるかは、人ぞれぞれですし、自分自身の感覚が一番大切です。

カウンセリングの主役は相談者さんですので、カウンセラーに遠慮する必要はありません。

合わないなと感じたり、違和感を感じるのであれば、無理にカウンセリングを続ける必要はありませんし、正直にそのことを伝えても良いのです。

自分が話したいことを思いきり正直に話せる、カウンセラーを信頼して心を開くことができる、それが、効果のあるカウンセリングへの第一歩です。

その信頼関係を築けるかどうかは、カウンセラーの力量や努力が大きいのですが、最終的には相談者さん次第です。

カウンセリングを受けることで何らかのプラスな変化を感じられるか、これからもこの人との対話を続けたいと思えるか、

そういったご自身の感覚に正直に、自分に合うカウンセラーを見つけてくださいね。

勇気を出してカウンセラーに相談したのに、話を十分に聞いてもらえたと感じなかったり、逆に落ち込んでしまったり、そんなガッカリな経験をされた方もいるかもしれません。

でも、世の中にはたくさんのカウンセラーがいて、カウンセラーの数だけカウンセリングスタイルがあります。

きっと、あなたに合うスタイルのカウンセラーはいますから、是非あきらめずに、自分に合うカウンセラーを探してくださいね。

まずはカウンセラーの書いている自己紹介文やメッセージ、コラムなどを読んで、

「この人に話を聞いてもらいたい」、そんな風に思える人を選ぶことがポイントです。

また、無料カウンセリングをいくつか受けて、自分に合う人を探すのも良いでしょう。

それくらい、気軽に受けてみて良いものなんですよ。

最終的に変わるかどうかは自分次第。

カウンセラーを受けても効果のない人がいます。

それは、自分自身に変わる気がない人です。

今の辛い現状を変えたい、もっと人生を楽しめていた自分に戻りたい。

そういう気持ちが相談者の心の中にあって初めて、カウンセラーの声が心に届くのです。

カウンセラーは、あなたの代わりに行動を起こすことは出来ません。

パワハラ上司に説教をすることも、冷え切った夫婦仲を温めなおすこともできません。

知識を共有したり考え方を提案することはできますが、自分自身を変えることが出来るのは、いつも自分だけなのです。

その前提を忘れて、カウンセラーに依存してしまったり、カウンセラーになんとかしてもらおうという態度では、いつまでも結果は何も変わりません。

最終的に行動を起こし、あなたの人生に変化を起こすのは、いつも自分だけなんだということも、忘れないでくださいね。

最後に

心を病む人は弱い人、そんな風に思っている人もいるかもしれませんが、そんなことは決してありません。

完璧主義だったり、正義感や責任感が強かったり、他者への思いやりの気持ちが強い優しい性格だったり、そういう人は確かに、心が疲れやすい傾向にありますが、それ以外の人にも、どんな人にでも、起こりうることなのです。

人間ですもの。悩むこと、落ち込むことは誰にでもあるんです。

悩み事や不安を、誰にも話せなくて、辛くて辛くて・・・そんな状況で頑張り続けていては、遅かれ早かれ、心が壊れてしまうのは、きわめて当然なのではないでしょうか。

決して、あなたが弱いわけでも、悪いわけでも、ないんですよ。

でも、そんな時、親身に話を聞いてくれて、新たな視点や、自分自身の凝り固まった思考の癖に気付かせてくれる、そんな人が身近にいれば、何かが変わると思いませんか。

何でも話せる、心のメンター的な存在が出来ると、あなたの心はきっともっと、楽になります。

今日から自分の心の状態を、意識して過ごしてみてくださいね。

そして、ちょっとメンテナンスが必要かな?と感じたら、この記事に書いてあったことを思い出して、是非、行動に移してみてくださいね。

画面のこちら側から、あなたの人生がより良くなっていくことを、いつも応援しています!

最後まで読んでくださりありがとうございました。

神田華子でした。