ついイライラしてしまうあなたへ!アンガーマネジメントを学んでみよう。
ついカッとなって職場で怒鳴ってしまった・・・。
感情的になって子供に手を上げてしまった・・・。
些細なことでイライラしてしまい、夫との喧嘩が絶えない・・・。
こんな風に、衝動的な怒りや積もりに積もったイライラで、つい感情的になってしまう。
そんな経験は誰にでもありますよね。
怒りはとても強い感情です。とても、とても強いパワーを持っています。
怒りに任せたコミュニケーションを続けていくと、相手の信頼をも失ってしまいます。
それに、ついつい感情的に怒ってしまった後、どっと疲れた気分になったり、
後悔したりすることはありませんか。
相手に向けた怒りという感情で、あなたの心もすり減ってしまいます。
アンガーマネジメントとは何かを学び、どうやって実践するかを知ることで、
今よりももっと良好なコミュニケーションを実現し、少しでも心穏やかな日々を送れるようになるでしょう。
あなたも早速、今日から始めてみませんか?
その①:そもそもアンガーマネジメントとは?
アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで生まれた心理療法で、文字通り「怒りをコントロールする」という心理トレーニングです。
怒りという感情のコントロールは性格や生まれつき持った才能で可能になるものではなく、考え方を知り訓練すれば、誰でも身に着けられるものです。
私自身も、学生時代に2年ほどアメリカで生活をした経験がありますが、アメリカでは「感情はコントロールできる」という概念がとても強いです。
幼少時代から、感情などのセルフコントロールのトレーニングを積極的に取り入れており、ビジネスの場でも、感情のコントロールができないことは、幼稚で恥ずべきことだとされています。
日本でも、管理職向けの企業研修や介護の現場などでも注目されており、夫婦間のコミュニケーションや子育てなど、生活のあらゆるコミュニケーションの場で役立つとされています。
その②:どうなるの?アンガーマネジメントを学ぶメリット
アンガーマネジメントの目的は、相手との違いを受け入れて、人間関係をより良くすることにあります。
怒りの感情をうまくコントロールできれば、あなた自身のイライラやストレスが減少し、
自分も相手もより穏やかに過ごせるようになるでしょう。
また、つい怒ってしまったりイライラしてしまった時にも、気持ちの切り替えが早くなるでしょう。
職場では、人間関係が良好になることで仕事がスムーズに捗ったり、パワハラ等で訴えられることもなくなるかもしれません。
その③:その怒りは本物?怒りという感情の正体を知ろう
アンガーマネジメントの具体的なテクニックをご紹介する前に、怒りの正体について知っておきましょう。
怒りとは、第二次感情である。
ある不快な物事に遭遇した時に、最初にやってくる感情が怒りだと思っている人は少なくありませんが、
実はその前に、別の感情が存在しています。
悲しさ、寂しさ、恥ずかしさ、焦り、不安、困惑、恐れ、、、といったような、ネガティブな感情です。
そういった、最初にやってくる感情を第一次感情と呼び、
怒りはその次にやってくるので、第二次感情と呼んでいます。
この用語自体は心理用語なので覚える必要はありませんが、
怒りという、目に見える感情の根本には、必ず別のある感情(第一次感情)が存在するということだけは、しっかり覚えておきましょう。
たとえば、「後輩に生意気なことを言われてカッとなって怒鳴ってしまった」というAさんがいます。
このAさんの怒りの根本には、「あんなに可愛がっていた後輩から自分を軽んじるようなことを言われて傷ついた」という、【悲しみ】の感情があるかもしれませんし、
「これまで誠意をもって指導してきた親心は、何も伝わっていなかったのだろうか」という、【不安】や【悔しさ】という感情かもしれません。
または、「後輩にメンツをつぶされた」という【恥ずかしさ】だったかもしれません。
まずは、怒りの根本にある感情が何かを自分で自覚することが、
アンガーマネジメントにおいてとても大切なのです。
その④:自分や相手の怒りのツボは?怒りのタイプを知ろう
私たちはそれぞれの価値観や性格、置かれている環境や体調により、何に対して怒りを覚えるかのポイントが違います。
自分の怒りのツボを知ることは、自分自身をより理解し、自分自身の感情により敏感になり、怒りの感情をコントロールするための、とっても重要なステップですので、面倒くさがらずに是非一度、診断してみてくださいね。
今は本当に便利な世の中でして、「アンガーマネジメント 診断」と検索すると、無料で診断できるサイトが色々と出てきます。
例えば、『日本アンガーマネジメント協会』さんのページからも無料で診断できます。
ちなみに私のタイプは『自由ネコ(天真爛漫)』でした。
自由で素直な意見を表現することが得意で、好奇心旺盛で活発に他人と議論を交わしてお互いをより深く理解することを好む一方で、自分の意見が言えなかったり聞き入れない環境に怒りを感じやすくなる、だそうです。
恥ずかしながら、、、当たっているな~と思います。(笑)
これが分かっただけでも、イライラを感じた瞬間に、「あ、私の意見が無視されてるから、今イライラしてるんだな」と、冷静になれそうです。(笑)
また、自分自身の体調や置かれている環境による変化も自覚しておきましょう。
例えば「お腹が空いている時は怒りっぽくなるな」「この人が会議で話していると、どうもイライラしてるな」等です。
そうすると、「お昼前にミーティングを入れるのはやめよう」「この人の何がそうさせるのか、ちょっと考えてみよう」など、対策を練りやすくなります。
少しでも多く、自分の怒りのツボを自覚しておくと良いですよ。
その⑤:早速取り組んでみよう!アンガーマネジメントに役立つ具体的な実践方法7選
1)深呼吸と6秒ルール
怒りの感情に気付いたとき、みぞおちから沸き上がる気持ちをまずは深呼吸に変えましょう。
一般的に怒りのピークは6秒だと言われているので、6秒間をやりすごすことに集中しましょう。
深呼吸をして、自分の呼吸に集中すると良いですよ。
2)怒りのポイントと第一次感情を見極める
私はその6秒間で、自分の今感じている怒りを分析することをおすすめします。
上にあげた怒りのポイント、そしてそれによって自分が感じている怒りの根本にある第一次感情は何なのかを考えましょう。(考えているうちに6秒間経っていると思います。)
3)「べき」「はず」というこだわりを捨てる
自分に対しても他人に対しても、「~すべきだ、~であるべきだ」という信念や期待、
思い込みは、失望や落胆を生み、怒りを生みやすいです。
自分の価値観をベースに相手や状況を判断し、「~なはずなのに」と考えることも同様です。
自分が考えているように相手が考えているとは限りませんし、自分の考えが全世界で共通の正しい認識である可能性はとても低いのです。
人としての正義や倫理観でさえ、時代や地域によって大きく変わるものです。
また、相手があなたと同じ知識レベルだとも限らないのです。共通認識が前提としてあるかどうかも考慮しなければなりません。
「~べきなのに」「~なはずなのに」という気持ちで怒りの感情が沸き上がっていることに気付いたら、
「本当に私の考えだけが正しいだろうか?全世界共通・老若男女万人共通で、絶対にそうだといえるだろうか?」と
自分に問い直してみてください。
4)自分と同じように感じる人はいないことを思い出す。
あなたのために地球はまわっていないように、周りの人は誰も、あなたのために生きているわけではありません。
あなたの心の中や期待値を100%理解できている人はいない、自分とまったく同じように考え、感じている人はいないという事実を思い出しましょう。
そうすると、「なぜ分かってくれないんだ」と、怒りを相手にぶつけるのではなく、どのように自分の思いを伝えればいいかという点に、フォーカスできるようになります。
5)あの人だったらどう思うだろうと想像してみる
自分の理想とする人物を心の中で思い浮かべ、その人ならどう思いどのような態度を取るか想像してみてください。
歴史上の偉人や有名人、架空の人物でも構いません。
慣れてきたら、その人になりきった言動をしてみましょう。
怒りをおさえて理想の人になり切れた時、きっと自分でも誇らしい気持ちになると思います。
6)離れる、怒りの対象から気をそらす
カッとなるとそんなにごちゃごちゃ考えられない!という人は、怒りを感じた瞬間、とにかくその場を離れて冷静になりましょう。
物理的に離れられない場合には、とにかく怒りを感じているものから意識をそらしてください。
7)受け入れる言葉をとりあえず言ってみる
究極的には、すべての怒りは相手や今起きている現象を「受け入れられない」ことに起因すると言えます。
怒りを感じた時、一旦、「そうだよね、わかるよ。」「なるほど君はそう思うんだね」と、相手を受け入れる言葉を、勇気を出して言ってみましょう。
番外編) 睡眠を十分にとり、自分にとって癒しの時間を作りましょう。
人は体力的に疲れていると起こりやすくなります。
心に余裕を持つために、睡眠や休息をしっかり取ることを心掛け、
リフレッシュできるような癒しの時間を意識的に日々の生活に取り入れましょう。
最後に。
つまるところ、「感情は選択」なのです。
もちろん、とっさに湧き上がる感情があるというのは、人間にとって当たり前のことです。
でも、その感情に飲み込まれたままではいけません。
時には、怒りに任せたコミュニケーションが楽であるケースもあるでしょう。
怒りという強いパワーを使うことで、相手の言動を一時的にコントロールすることが出来うるからです。
ただ、そのようなコミュニケーションを続けることのデメリットを、もう一度よく考えてください。
相手の心を深く傷つけたり、相手の信頼を失ってしまったり、パワハラで訴えられたりするかもしれません。
二度と取り戻せないものを失ってしまう可能性もあるのです。
アンガーマネジメントを通して、自分をより理解し、相手を受け入れて、良好な人間関係を構築していきましょう。
最初から、すべての怒りを完全にコントロールするのは難しいと思います。
でも、意識をすることで少しずつ慣れていくはずです。
この記事を読んだあなたが、今日から少しずつでもアンガーマネジメントを実践し、より快適な人生を送れるようになりますように。
神田華子でした!