いつも自分を責めてしまうあなたへ。心の中で自分を励ます【セカンドパーソン・セルフトーク】
すぐに不安を感じたり、やたらと罪悪感を感じてしまって疲れてしまう人って、いますよね。
そういう人には、私は「心の中でもう一人の自分を作り出してください」と言っています。
心理学用語では、セカンドパーソン・セルフトークと呼ばれるもので、
自分を客観的に見ることが出来るということで、メンタルケアに効果的なセルフトークの1つです。
要は、「二人称(あなた)」での独り言を言いましょうということです。
独り言、というと慣れていない人は難しいと思いますが、
目の前で落ち込んでいる友人に優しく語り掛けるように、
客観的な視点で自分を慰めたり、励ます言葉をかけてあげるだけで良いのです。
不安や罪悪感を感じやすい人とは、責任感が強く他者への思いやりが深い人であることが多いです。
そういう気持ちで苦しくなってしまう人は、このセルフトークでかなり楽になると思いますので、是非試してみてくださいね。
優しくて責任感の強いあなただからこそ、一生懸命他の人を慰め勇気づけるように、きっと自分にも素敵な声掛けが出来るようになりますよ!
それではもっと詳しく学んでみましょう。
セカンドパーソン・セルフトークって何?
セカンドパーソン・セルフトークとは、ミシガン大学などの研究チームが2014年に、ストレスコントロールなどの効果を検証した心理テクニックで、「二人称(あなた)」で独り言を行うことです。
通常、独り言は「一人称(俺、私、僕、、、)」で行いますよね。
「私のせいで子供がケガをしてしまった。」
「俺なんかに後輩を指導する資格なんてない・・・」
このように、罪悪感を感じやすい人というのは、気付かないうちにネガティブなセルフトーク(独り言)で自分を責めていることが多いのではないでしょうか。
一人称での思考をするときに人は、自分を責めたり批判的になりがちなのです。
「俺のせいで・・・」「私なんか・・・」そういう口癖がある人は、主語を二人称にするだけで、自分を客観的に見ることができるので、感情のコントロールに非常に有効です。
ただ、日本語では言語の性質上、「あなた」「わたし」と、わざわざ主語をつけないことが多いので、二人称で、と言われてもピンと来ませんよね。
なので単純に、心の中に第二の人物(セカンドパーソン)を作り出して、その人があなたに向かって語り掛けてくれているのを想像すれば簡単です。
どうやるの?セカンドパーソン・セルフトーク実践方法!
まず、心の中に第二のあなた、または架空のキャラクターを作り出してください。
その人は、いつもあなたの心の中にいて、ずっと見守ってくれています。
あなたのことを心から愛していて、あなたが弱気になったときや必要以上に自分を責めているときに、慰め、励まし、叱ってくれる存在なのです。
よりリアルに感じられるように、可能な方は視覚イメージも持てると良いかもしれませんね。
アニメーション仕立てのミニバージョンの自分や、白衣で眼鏡の知的な自分、または空想の優しいお姉さんやお兄さんなど、
自分の中でしっくりくる人物像を、脳内でリアルに作り上げてくださいね。
そしてそのキャラクターは、あなたの考えているネガティブな思考を、すべてポジティブに変換させて、ひたすら愛をもって前向きに励ましてくれるのです。
そう、まさに、あなたが大事な友達に対して前向きな言葉をかけてあげるように、自分自身にその言葉をかけてくれる存在を、想像するのです。
落ち込んでいる大事な友達がいたら、親身になって共感しつつ、気分を切り替えられるような声掛けを一生懸命考えますよね。
同じように、自分自身に語り掛けましょう。
自分の考えや感情を否定せず、肯定しつつ、建設的なアドバイスを送りましょう。
また、行動を後押しするような勇気を与える言葉をかけてあげましょう。
セルフトークをするときのポイント
・落ち込んでいる大事な人を親身に励ますように、厳しく優しく語り掛ける。
・共感し、否定せず、肯定し、建設的なアドバイスを送る。(今度は~してみよう!など)
・行動を後押しするような勇気を与える言葉や、気遣いや労いの言葉をかける。(大丈夫!頑張ったね!など)
早速実践!セカンドパーソン・セルフトーク会話例
<会話例①>
あなた:「午後の会議以降、部長の期限が悪い気がする。俺のせいかな。俺のプレゼンの出来が悪かったせいかな。資料もあんなに事前に確認してもらったのに、期待に応えられなくて申し訳ないな・・・・。」
第二のあなた:「何言ってるの?今日のプレゼンとっても良かったわよ!だってあんなに一生懸命準備もして、資料もきちんと事前に確認してもらったじゃない。最善を尽くしたんだから、あとは改善点を洗い出して、次に活かせば良いだけよ。部長からもフィードバックをもらってみたら?ほら!大丈夫よ!この人いっつもこんな顔してるわよ!普通普通!勇気出して!」
<会話例②>
あなた: 「あ~今日も子供を公園にも連れて行けずに家でのんびり過ごしちゃった。私ってホントにダメな母親だわ・・・。」
第二のあなた: 「そんなことないよ。あなたはいつも頑張ってるでしょう。今週は2回も外出できてるし。お家の中で遊んで学べることもきっとたくさんあるよ。ちょっと疲れてるみたいだから、今日はちょっと早めに休んでね。」
<会話例③>
あなた:「しまった!今日は妻の誕生日だった!すっかり忘れてこんな時間まで残業してしまった・・・プレゼントも何も用意してないし、花屋ももう閉まっちゃったな・・・俺ってなんでいつも大事なことを忘れちゃうんだろう・・・。」
第二のあなた:「そっか、最近忙しかったもんね。仕方ないよ!今、思い出しただけでも十分立派だし、奥様の誕生日を大事なことって思ってる時点で、素敵な旦那様だよ。今日はとりあえず言葉だけでお祝いを伝えて、週末美味しいもの食べに行く約束でもしたらいいんじゃない。」
(案の定、怒られた後は・・・)
第二のあなた: 「・・・ドンマイ!そういうこともあるある!人間だもの!でもほら、こういうのは、気持ちが大事だから!来年はカレンダーに入れてリマインダー付けとこ!仕事もこなして奥様の誕生日もケアするなんて、本当に大変だよね。お疲れ様!」
・・・と、こんな感じです。
イメージは沸いたでしょうか?
もちろんキャラ設定はお好みですが、上に述べた声掛けのポイントは、必ず押さえてくださいね。
早速、毎日の生活にセカンドパーソン・セルフトークを取り入れよう!
このように、セカンドパーソン・セルフトークにより第二の自分を意識することで、
自分自身の主観的な感情と距離を置くことが出来、冷静になれるのです。
「周りはみんな忙しくて、誰も自分を励ましてくれない・・・。」
そういうときもありますよね。大人になればなるほど、そんなもんです。
まずは、自分で自分を励ませるようになりましょう!
自分で自分の機嫌を取り、勇気づけるスキルを身に付ければ、
感情コントロールはより容易になり、発想の転換で違う視点を見つけることもできるようになるでしょう。
ネガティブなセルフトークで自分を傷つけ続けてきたあなたが、
自分の中に最良の友達を見つけ、毎日をもっと気楽に、快適に過ごせますように。
神田華子でした!