「そんなの普通」励ましの言葉が凶器に変わる。悩んでいる気持ちに大小は無いという話。
「こんな普通のことで悩んでいる私が弱すぎるのかな・・・」
「自分が他人より気にし過ぎているだけだから、自分が悪いんだ・・・」
「こんな些細なことでカウンセラーに相談しても良いのだろうか?」
ご自身の悩みについて、こんな風に考えたことはないでしょうか。
確かに、悩みの複雑さや解決困難度には、
付けようと思えば、レベルを付けることができるかもしれません。
でも、悩んでいるというその気持ちには、
決してレベルは付けられないと思っています。
辛い気持ちやしんどさというのは、
10人いれば10人違うもので、決してレベル分けできるものではありません。
あの人にとっては何ともなかったから
自分が気にするのはおかしい、というのは少し違うのです。
今日はそんなお話をしていきたいなと思います。
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読めそうな方は是非、続きを読んでみてください。
私が「無意識のレベル付け」で大失敗した話
私が学生時代に友人に言われて慰められた言葉で、
「その悩みで、10年後も同じように悩んでいると思うか?」
というものがあるのですが、私自身は当時すごくスッキリしたんですね。
この感覚を伝えたくて、私も安易に、
「将来的にはその悩みも小さなことだったなと思える日が来るよ」と友人に話してしまったことがあるのですが、
それで、大失敗してしまった、という経験があります・・・^^;。
その時は、私にとっては励ましの言葉のつもりで、
「いつか、”あの頃は、あんな小さなことで悩んでたな”って笑い話に出来る日がくるから、あんまり気に病まないで」
というニュアンスを伝えたかったのですが、
「私の悩みなんて、そんなに小さいものだと思ってるんだね」と、怒らせてしまいました。
もちろん、そんなつもりはなかったんです。
でも、私はきっと勝手に相手の悩みにレベル付けしてしまったと
「小さいものだ」とレベル付けしてしまったと、思われてしまったんですね。
励ますつもりで逆に傷付けてしまったなと、すごく反省しましたし、
今でも強烈に記憶に残っていて、思い出すたびに反省しています。
その発言にたどり着くまでに、相手の辛さや苦しみをしっかりと聞いていたり、相手の気持ちに時間をかけて寄り添っていれば、
おそらく相手の受け入れ方は違ったのだと思います。
当時はカウンセラーを目指しているわけでも、
カウンセリングや傾聴(相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする話の聞き方)を勉強していたわけでもなかったのですが、
他人の悩みを聞き入れることは多かった中で、
今でも忘れられない、大失敗したなと思っている出来事です。
悩みにレベル付けされるとモヤモヤする
悩んで視野が狭くなってしまっている人を慰めるつもりで、
「そんなの大したことじゃないよ」
「そんなの普通だよ、みんなそうだよ」なんて言う人がいますが(私もそのような一人でしたが)、
この言葉は実は、結構、タイミングやお互いの関係性、受け手の精神状態によって意味合いが変わってくる言葉なんですね。
昔、友人に「10年後にそのことで悩んでないと思うなら、大したことじゃない」と言われてハッとした私のように、
自分の悩みがちっぽけだと気付くことで気が楽になることもあるし、
メタ認知という観点でいうと、長期的に考えてみるというのは大事な視点なのですが
相手を励ますつもりでそういうことを言う時には、
言い方やタイミングを間違えたり、
信頼関係が築けていない段階でそんな風に言ってしまうと、
「自分の悩みなんて、取るに足らないくだらないものと思っているのかな」
「こんなことで落ち込んでいる自分が変なのかな」
と、モヤモヤとした気持ちを相手に残してしまいます。
場合によっては、馬鹿にされた・受け入れてもらえなかった、とさえ、感じさせてしまうでしょう。
誰かに相談した後で、
「理解されていない気がする」
「なんかモヤモヤする」
「よく分からないけど腹が立った」という感覚は、
相手に勝手に自分の悩みの深さを測られて、
レベル付けをされた気がするからかもしれません。
「不幸比べ」は誰も幸せにならない
また、相手の悩み相談を聞いているようで
「そんなの全然大したことないわよ~。私なんか・・・」と、
自分の不幸話や苦労話を始める人もいますが、
これも、相手を励ましたいのか自分が話したいだけなのかという
モチベーションの違いには関わらず、
あんまり誰も幸せにならないんですよね。
こんな風に相手の話をされても、ほとんどの人は、
「あなたの話じゃなくて、私の話を聞いてほしいのにな・・・」と、
モヤモヤしてしまうのではないでしょうか。
もしかしたら中には、
「そうか~この人はもっと大変なんだ!私なんて、まだまだだな~」と、思う人もいるかもしれませんが、
だからといってご自身の悩んでいる気持ちが解消されるかというと、そうではないと思います。
「とはいえ、私は私でこのことですごく悩んでるんだよな・・・・」と、最終的には思うでしょう。
相手にそう言われたらどうしたら良い?
もしそんな風に、自分の悩みを小さなものだとないがしろにされていると感じてしまったら、
仲の良い友達であれば、しっかりと
「でも今の私にとっては深刻な悩みなんだ」とか、
「本当に悩んでいるから、今は私の気持ちを聞いてほしい」と気持ちを正直に伝えても良いでしょう。
そうでなければ、
「この人はそう思うんだな」と、
相手の価値観を相手の価値観として認識する、それだけで良いと思います
自分が悩んでいることに対して、
「そんなしょうもないことで悩むなんてバカらしい」と言われたように感じたとしても、
相手はあなたとは違う人間なので、
あなたと同じように感じることは出来ません。
あなたが感じている負の感情の背景には、
あなた自身が生まれ持っている性格や資質、感性、
育ってきた家庭環境や過去の経験、トラウマ、そこから来る未来への見通しや不安など
様々な要素が複雑に絡み合ってその気持ちを作り出しているのですが、
あなたの話を聞いている相手は、その背景をまったく知らず、想像もできず、
表面的な状況だけを聞いているわけですから、
「そんなの気にし過ぎだよ」と思われたとしても、
「私にとっては気になることなんだよ」と、自分の中で分かっていればそれで良いし、
相手が、お悩みを聞くプロでもなければカウンセラーや心理学の勉強をしたこともない相手なのであれば、
アドバイスや意見が、主観的になってしまうのは仕方のないことなのです。
相手に言われて傷つきそうになった時は
「相手は自分の価値観を表現しているだけ」ということを思い出しましょう。
「あなたはそう思うんだね」
それだけで、良いんです。
自分と向き合うきっかけになることはある
しかしそんな経験を経て、その場ですぐにとはいかずとも、
時間が経つにつれて、
「やっぱり私が気にし過ぎていただけだったのかもしれない」
「他の人はこんなことで悩んでいないようだ」と
思う日が来るかもしれません。
そう思い始めた時が、自分と向き合うチャンスなのです。
自分の思考の癖、植え付けられた固定観念、「~べき」思考や白黒思考、完璧主義。
自分のストレスや悩みの原因になっているものは何なのか?
自分が大切にしている価値観は何なのか?
そしてそれはどこから来ているのか?
それは、本当に必要で正しい考え方なのか?
そういうことに目を向ける気持ちになってきたら、
そこから自分と向き合い、自分自身との対話を繰り返し、
自分が見て見ぬふりをしてきていた、
自分自身の根深いところに眠る問題に気付くことがあります。
そのように、自分自身と向き合い、自分を知って理解していこうとすることが、
思考や行動に変化を起こすための、とても重要で、大きな大きな、第一歩なんですね。
問題が問題でなくなる日が来る
もちろん、すべての問題が解決するわけではありません。
でも、自分が問題だと捉えていたことというのは、
自分が世界を見る目が変われば、
いつの間にか問題ではなくなっている・・・
というのは、よくあることなのです。
そういったお手伝いが出来るのが、カウンセリングです。
お悩み相談や、愚痴聞きのような場所で、
あなたの気持ちを健全に吐き出すということは重要です。
でも、もっと根本的な部分にアプローチして、
表面に現れている問題だけでなく、
生活の中で、人生全般で抱えている
息苦しさや生きづらさを解消していくというのが、私の目指すカウンセリングです。
世界を見るフィルターを取り換える。
狭くなっている視野を広げる。
ある問題をきっかけに、本当に向き合うべきなのは、
その問題となっている相手ではなく、一体誰なのかを見極めていく。
それは例えば自分だったり、または、その他の本当に向き合うべき誰か(例えば自分のご両親)だったりすると思いますが、
その向き合うべき対象に、しっかりと目を向けてもらう。
カウンセリングを通じてそんなお手伝いをして、
相談者さんの心を癒したり、
問題が問題でなくなっていく過程を、応援しながら伴走したいなと思っています。
最後に。
悩んでいる気持ちにレベルは付けられない。
それを、自分の主観で無意識に付けてしまうことによって、
自分や相手を傷つけてしまうこともあるんですね。
私自身、自分の失敗体験を経て、誰かを励ますときの態度や言葉に、
より一層、気を付けようと思いましたし、
相手を傷つけてしまったなという後悔から、
今後は、悩みにレベルを付けてしまうようなことは、
もう言わないでおこうと気付くことができました。
悩みの種類が何であれ、そのショックの大きさや、気持ちの切り替えに必要な期間なども、
人によってまったく違うものです。
色々な悩みの種類や深さがある中で、
本人が悩んでいる、本人が気になっている、本人が苦しんでいる、
という、その感情の部分を、
レベル分けしたりカテゴリ分けしたり、ジャッジしたりするようなことは、
これからも絶対にしたくないと思っています。
これを読んでくださったあなたも、誰か大切な人の悩みを聞く時には、
是非、今日のお話を思い出していただけると嬉しいです。
とはいえ、人の悩みを聞くってしんどい人も多いですからね。
そんなときは、神田華子のカウンセリングは現在、
無料カウンセリングを受け付けていますので、
是非、ご利用くださいね。^^
最後に宣伝かい!というツッコミが入りそうですが、(笑)
宣伝というより、本当に、そのためのカウンセラーですからね。
「こんなことで相談していいの?!」とご自身で思われるような内容でも、
無料であれば、気が楽なのではないかなと思っています。
そこから何か、違うものが見えてくるかもしれません。
あなたとのご縁をお待ちしています。
今日も良い一日をお過ごしください。
神田華子でした。