15年も遠回りしてまた辿り着いたカウンセラーという夢と根底にある想い
今日は改めて、カウンセラーという仕事をわたしが目指すにあたり、
その根本となっている思いを書いてみようと思います。
実は、私は学生時代、カウンセラーという夢を一度、諦めています。
カウンセラーというお仕事に興味がある方、
メンタルヘルスについて学び始めている方、
一度は夢を諦めたけど、心の中にその火種となる思いが残っている方に、
是非、読んでみて欲しいなと思います。
神田華子という、一人の、何者でもない人間が、
どうしてカウンセラーという仕事にそこまで熱量を感じているのか。
気になる方も、是非最後まで読んでみていただけると嬉しいです。^^
初めての『カウンセラー』との出会い
私がカウンセラーという職業に最初に出会い、
興味を持ち始めたのは、実は大学生の頃でした。
高校を卒業してアメリカの大学に進学した時、
初日のオリエンテーション(説明会)で、
その大学の留学生専用カウンセラーの方が、こんな風にお話してくださいました。
「日本ではカウンセリングというと、
心が病んでいる人が受けるものという印象があるかもしれませんが、
アメリカではカウンセリングは、普通に元気な人も受けている、
とても身近で一般的なものです。
留学中に感じる不安やホームシック、カルチャーショック、
お友達との関係や恋愛相談、言語・コミュニケーションの問題、大学での単位のことなど、
何でも気軽にカウンセラーに相談をしてくださいね。^^」
まだまだ世間一般的には、カウンセリングやカウンセラーという言葉が
まったく身近でなかった当時、
今でもその言葉だけハッキリと覚えている程、とても印象的でした。
身近でカウンセラーを観察する日々
そうして留学生活がスタートして間もなく、
私はご縁あって、その留学生サポートオフィスでアルバイトを始めることになりました。
(※アメリカでは、留学生はそのキャンパス内で週に20時間までであれば、アルバイトをすることができます。 )
当時、そこには国籍の異なる4名の留学生カウンセラーさんが在籍していて、
それぞれのカウンセラーと学生さんとのアポイントを取る事が、
当時アルバイトとしての主要業務のひとつでした。
その4名のカウンセラーは、もちろん母国語が違うというのが一番の特徴ではありましたが、
それぞれのキャラクターも、対話のスタイルも様々でした。
底抜けに明るいタイプ。
地味で穏やかなタイプ。
表情豊かで親近感溢れるタイプ。
プロフェッショナルな少し厳しい雰囲気で、知的なタイプ。
それぞれのキャラクターで色々なカウンセリングスタイルがあるけれど、
学生さん達との交流や、その反応を見ていて、
「どんなスタイルの人でも、合う人というのがいるものだなぁ」と、
不思議に思っていた記憶があります。
相談に来る学生さんも、本当に色々なタイプの方がいましたが、
恋愛相談や友達との喧嘩など、些細なことでも雑談のように相談しに来る人もいれば、
見るからにしんどそうで、泣きながらカウンセリングを受けている人もいました。
そして、一度も相談に来ずに、メンタルを病んで帰国してしまう人もいました。
もう1つ印象的だったのは、
仕事の場ではプロとして学生さんと対峙するカウンセラーさんたちも、
裏ではそれぞれ自分自身の問題を抱えていたり、
プライベートでは感情的にふるまう場面もあったりして、
それを身近で見る機会もあったことです。
当たり前のことですが、
みんな、欠点も弱さもある、普通の人間だったんです。
カウンセラーという職業への憧れ
そういった人間観察をする毎日の中で、
話を聞いてもらえる場所がある、
専門的な知見からの具体的なアドバイスや意見を言ってもらえる人がいる、
というのはすごく大切で必要なことだと肌で感じていました。
そして、最初の説明会で伝えられていたように、
「どんな悩みでも心に不安やモヤモヤがあるならば、吐き出したり話していい」と、
声を大にして伝えていくこと、
「誰かに頼って相談して良いんだ」
「不安があって良いんだ」
と安心させてあげることは、
その前提として、すごく重要で意義のあることなんだなぁと実感していました。
その時から私は、
「人の話を聞く」
「専門的な知見から道筋を見せる」
「癒しや安心を与える」
「知識や対話を通して、相手の自信や勇気を取り戻して、その人自身の生活を楽しんでもらう」
そんなことが出来る、カウンセラーという職業に、とても魅力を感じていました。
すべての活動の根底にあった思い
当時の私は、留学期間を最大限に楽しみ、有意義なものにしたいと、
アルバイト以外にも色々な活動を積極的にしていましたが、
自ら人と関わるような活動を多くしていました。
ボランティアで新入生のサポートをしたり英語を教えたり、
現地学生と留学生の交流を促すためのサークルを立ち上げたり。
その活動の元になっていた、
「人と一緒に楽しみたい!」という背景にあった思いは、
「どのような理由であれ、新しい環境にチャレンジして海外に身を置いている学生達が、
留学という貴重な一度きりの機会を、前向きに捉え楽しく過ごして欲しい!」
というものでした。
私は根本的に人が好きで、
楽しそうな人を見るのが好きなんですね。
一緒に何かをすることで、
生活の中での「楽しい!」瞬間が、1つでも増えれば良いなと思っていました。
一度は、諦めた夢。でも根底にあったものは同じ
その時から、カウンセラーという職業に憧れは抱いていたものの、
当時の私は、まだまだ他人との境界線をうまく引けない状態でした。
「感情移入や共感をし過ぎて、あなたの方がメンタルダウンしてしまうと思う」
当時から仲の良かった友人にそう言われ、
また、経済的な事情や家族の意見もあり、
私はカウンセラーを目指すことなく帰国して、別の仕事に就きました。
しかし、何をしていてもベースには、
「自分自身が人生を楽しみたい」という気持ちと同時に、
「人を楽しませたい」という気持ちがあり、
その根底に、
「みんな、一度きりの人生を楽しんで欲しい」
という願いがあったように思います。
カウンセラーという職業との再会
その時から15年の月日が流れ、
偶然、うつ病が再発した友人のメンタルサポートに深く関わったという経験を経て、
私は再びカウンセラーという職業に出会いました。
うつ病が再発する前と後の友人の様子や心境をリアルタイムで見て聞いて、
人は、心の状態によってこんなにも見える世界が変わるのかと驚きました。
そして、その友人との関わりや回復の経過を見ていて、
誰かに気持ちを吐き出したり、
思考の整理や新しい視点を得ること、
今の自分の問題や過去の自分の苦しみと向き合うことで、
そしてそれを誰かが受け入れてくれると心から感じられるだけで、
こんなにも自分や世界への見方が変わったり、
心が元気になっていくのだということにも感動しました。
そして、人ひとりが本来持っている心の強さ、
前に進もうというエネルギー、
心の底でよりよく生きたいと叫ぶひたむきさに、
とても心を打たれ、
こんな風に、誰にも言えない悲しみや怒り、
孤独感や無力感をひとりで抱えて苦しんでいる人に対し、
1人でも多く、その人が本来持っている魅力やエネルギーを取り戻してほしい!!
率直に、心から、そう思いました。
15年間の人生の紆余曲折を経て、
私は他人との境界線をうまく引けるようになっていると感じていたし、
他人軸ではなく自分軸で生きられるようになっていました。
私自身の体験や、そこから得た学びやプラスの変化。
そこに、きちんと専門的な心理学やカウンセリングの知識やスキルを加えることで、
誰かの役に立てるのではないか。
カウンセラーとして、
一人でも多く、いま自分の人生を楽しめていない人が、
人生を楽しめるようになるサポートが出来るようになるのであれば、
それは、他の何事にも代えられない、大きな大きな喜びだと
15年前とは違う自分で、またこの夢に出会ったんです。
運が良かっただけの自分が出来ること
今の私が幸せだと感じられる状況にいられるのは、
色々な「不運」と呼べる出来事も含めて「運が良かった」からで、
他の誰かが今、そう感じられない状況にいるのは、
ちょっとしたきっかけや、
トラウマや認知の歪みに繋がる体験も含め、
「不運」がいく重にも重なっていたから。
今ある状況というのは、ただ、それだけのことかもしれないなと思っています。
私がその誰かだった可能性もあるし、
その誰かだって、何か一つでも違えば、幸せに生きられているかもしれない。
そう考えると、私がカウンセラーという活動を通して、
誰かに癒しやパワーを与えることが出来るのであれば、
それは、私が、偶然、有難いことにいただいてきた幸運を、
世界に還元していくことになるのではないか?
カウンセラーを目指したいと思ったと同時に、
自然とそんな思いが沸き上がりました。
それが私の目指したい状態だし、あるべき姿なのかもしれないなと。
一度きりの人生を、もっと楽しんで欲しい!
世界は残酷で、社会は不平等で、人間は不完全なものです。
私も、何も上手くいかないと自信を無くして塞ぎ込んでいたり、
信じていた友人に大切な嘘をつかれて裏切られたと感じたり、
詐欺にあいかけたりして、
鬱状態が数週間続いたり、人間不信のように感じていた時期もありました。
人間って、本当に弱くて脆くて、だからこそ自分勝手だったり、ずるかったり、残酷になれたりするなと思います。
それでも、私は人間が大好きだし、その人間がいる世界の優しさも感じています。
私自身が、たくさんの人の真心に救われ、癒され、支えられてきました。
知人や友人、名言や名著だけでなく、偶然知り合っただけの、見知らぬ人からも。
いま現在、様々な要因が重なって、
そんな世界の温かさを感じられなくなっている人を、
その絶望感や孤独感、息苦しさから、
少しでも抜け出すサポートをしたい、その方法を、学びたい。
たくさん勉強していきたいです。
与えられた機会は不平等でも、幸せを感じる権利は、
どんな人にも平等にあると思っています。
どうせ同じ時間を生きていくのであれば、
一度きりの人生をもっと楽しんで欲しい。
学生時代からボンヤリと感じてきた、
私の根底にあるこの変わらない思いが、
カウンセラーという在り方を通して実現できるように、
勉強をして経験を積んで、カウンセラーとしての実力をつけたいと心から思っています。
啓蒙活動も続けていきたい
また、留学中に説明されたように、
誰でも不安になって当然、
誰にでも気持ちを吐き出す場所は必要ということを
もっと多くの方に知ってほしいと思っています。
完全にメンタルダウンしてしまう前に、
予防カウンセリングやセルフカウンセリングで
きちんと自分のメンタルケアをすること、
心のメンテナンスの重要さを、広めていきたいと思っています。
心の病気はいつ誰にでも起こりうることだからこそ、
もっと色々な人に、メンタルヘルスについて考えてほしいし、知ってほしいです。
こうした思いから、私がカウンセラーとして得ていく知識や学び、
私自身の実体験や思いについても、発信を続けていきたいと思っています。
15年以上も遠回りしてきたけれど、巡り巡ってまた辿り着いたカウンセラーという在り方。
今度こそ、自分の思いに正直に、
「1人でも多くの人に、少しでも人生を楽しんで欲しい」という願いを、
私の残りの人生をかけて、体現していきたいなと思っています。
以上です。
神田華子
最後に。
カウンセラーブログというと、心理学にまつわる有益な情報や、
生きづらさを感じている人が生きやすくなるための考え方や、
人間関係を改善するヒントなどが書かれていることが多く、
実際に私もそういう記事を書いて、誰かの生きやすさに繋がれば良いなと思っています。
でも、私自身の体験や葛藤、このように感じていることを共有することでも、
誰かの役に立つこともあるかもしれないなと考えています。
綺麗事のように聞こえるかもしれないし、すべて私自身のエゴであるとも思っています。
それでも、これが私の感じていることで目指していることです。
私の声は多くの人には届かないかもしれないけど、
たまたまここにたどり着いてくれた、あなた1人に届けば、それで良いんです。
知識は、インターネットでいくらでも無料で手に入る時代です。
ほとんどのことは、チャットGPTに聞けば、一般的な優秀な回答がすぐに返ってきますし、
お悩みを相談をすれば、労いや共感の言葉もかけてくれます。
そんな時代の中、私という不完全な人間が、
悩んだり迷ったり落ち込んだりもしながら、
根底にあるこの思いをもとに、こうして表現活動を続けていくことが、
これを読んでくださっているあなたと、
文字を通して、画面を通して、
交流するということに繋がるのかなと思っています。
そこに、私たちが人間であり続けることの、価値があると思っています。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
神田華子でした。