死にそうなカブトムシで学ぶエゴグラム
もう大分前になりますが、友人家族と共に山奥の方までカブトムシを捕まえに行きました。
そこでゲットした2匹を我が家でも飼っていたのですが、
1匹はまもなくしてお亡くなりになり、標本にしました。
もう1匹はまだ元気ですが、さすがに段々と弱ってきたようです…。
インターネットで、カブトムシの死期について調べたところ、
とあるお悩み相談サイトで、
弱ったカブトムシの飼育方法について、相談されていました。
いくつかの回答がついていましたが、そのうちの1つは、
ご自身の飼育状況や考えられる原因や対策について具体的に丁寧に説明してくださっており、
最後に「それでもダメならお迎えが近いんだと思います」と添えられていました。
また、別の回答では、淡々と
「昆虫は人間とは違って子孫を残して死ぬだけの存在です。弱った体力が回復することはありません。〇〇するくらいしかやることはありません。」
というようなことが書かれていました。
どちらも、ご本人の経験談からのアドバイスをされていますし、ご自身が認識している知識や事実を述べているだけです。
でも、このふたつの回答を聞いて、あなたはどう感じたでしょうか?
自分のエゴグラムを考える
受け手によって、感じ方は変わります。
情報量の正確さや多さという点を除き(そういった点も優しさだとは思いますが)、
2人の回答方法に、正解は、もちろんありません。
しかし、私は、1人目の回答者さんの回答の方が、受け取りやすいなと感じました。
1人目の回答者の方はとても丁寧で、交流分析のエゴグラムでいうと
NPでしっかりと共感した上で、Aで事実をお伝えした感じ。
2人目の方は、NPもFCも加えず、ストレートにAを表現した感じ。
生物学的に、言っていることはその通りなんだろうけど、
この相談者さんは、そういった知的情報が欲しい訳ではなく、
「弱ったカブトムシに何とか長生きして欲しい」と思って相談しているのです。
どちらのアドバイスが受け取りやすいか、この相談者さんにとっては、前者の方だと思います。
※交流分析については下記ご参考ください。
相手に何かを伝える時、相手のためになにかをしたい時。
自分のエゴグラムがどうであるか。
どの自我状態で相手と関わるのが良いか、
考えてみても良いと思います。
どのエゴグラムも大切です。
どんな要素が強く出ていても、否定すべきものでもされるべきものでもありません。
バランスの良い自我状態とは?
先程の例で言うと、事実をハッキリと突きつけられた方が腑に落ちるという人もいるでしょう。
でも、Aのみで伝える、例えば正論でズバリ切り込んだり逃げ道を塞いでしまうと、相手を傷付けたり追い詰めかねません。
かといって、NPやFCで包み込み過ぎるあまり、大事なメッセージが伝わらない…ということもあります。
高めのAで論理的に、端的に伝えることで意味合いが強まる、分かりやすくなるというメリットもありますが冷淡に聞こえてしまうし、
NPが強すぎると相手に依存させてしまったり、FCが強く出すぎると茶化しているように聞こえたりします。
自他に批判的な厳しいCPや自己犠牲と協調性のACだって、高過ぎるとコミュニケーションに弊害が起きますが、適度には必要なのです。
その時の状況や場合によって、どういうバランスでのコミュニケーションが良いかというのは、非常に難しいように感じるかもしれません。
でも、【最適】というのは人によって違うのです。
ありのままの状態の自分のエゴグラムからかけ離れたエゴグラムを目指して交流をしようとすると、無理がかかってしまいます。
なので、まずは自分の傾向を知り、現状どういうエゴグラムでの交流が多く、理想とする交流はどのようなものなのか。
あなたにとっての、理想や目指すもの。それが大切になっていきます。
やっぱりここでも、『まずは自分を知ること』ですね!^^
…カブトムシの生育観察から、交流分析エゴグラムにまで、思いを馳せてしまいました。笑
あなたの理想のエゴグラムは、どんな形ですか?
ご質問などあれば、いつでもお問い合わせくださいね。
神田華子